くう、と小さく鳴いた腹を擦り、は死屍累々の戦場を見渡した。
がいる場所から大分離れた場所で、青き閃光と共に宙へと放り出される数多の敵兵。
その中心にいるのは双竜だ。
大地を揺らす轟音がここまで伝わってくる。
『んー・・・、どうしよっかな』
思考に耽るは背後から自分に切りかかってきた敵兵を反射的に躱して、その顔面に拳を叩き込む。
そのまま無意識に手についた血を舐め取った。
嗅覚を刺激する血生臭さと舌の上に乗る味に、の虹彩が赤く染まる。
「うん、決めた」
舌なめずりをして、捕食者が笑んだ。
眉間に寄る皺をいっそう深くして、小十郎はこの状況に至る経緯を思い出そうとしていた。
武田信玄らとの軍議の後、熱くなりすぎて突出した主に小一時間説教し、そのまま政宗の幕舎を出、それから見張りの兵に声をかけ、周囲を見回った後、たまたま会った佐助から情報を得、自分の幕舎に戻った・・・筈だった。
だがジジ・・・と頼りない明かりに照らされた幕舎は小十郎に与えられたものではない。
何故か痛む腹を擦ろうとして、ぐ、と首を引かれた。
両の親指と首が何かしらの拘束具で繋がれていた。
動かすと親指の付け根に痛みが走り、がちゃがちゃと金属音がする。
まさか捕まったのか!?と全身を硬直させたが、直ぐに犯人が知れた。
こちらに背を向ける見知った後姿。
だ。
「てめえ・・・」
「ああ、気がついたんだ」
殺気を当てると、小十郎が寝かされている寝台に近づいてくる。
伊達の兵・・・いや、政宗でさえ見れば真っ青になるだろう凶悪な顔で睨み付けてるというのに、は何も感じちゃいないようだ。
安定しない明かりでは顔ははっきり見えないが、ふとの纏う空気に違和感を覚えた。
「・・・何のつもりだ」
「あ、それ聞いちゃう?」
「茶化してねえで今直ぐ答えろ、ぶっ殺すぞ」
「せっかちだなあ」
くすくすと楽しげに笑うは、だが矢張りおかしい。
手に持っていた何かを寝台の上に置き、ぎしりと音を立てて小十郎の上に乗ってきた。
「俺はね、腹が減っちゃったんだよ、小十郎」
「それがこの状況と何の関係がある」
「鬼の食べ物が何だか知らないのか?」
「俺を殺して血肉を喰らおうってのか」
違う意味で佐助と『に喰われない方法を考える連盟』に属する小十郎だが、こっちは想定外だ。
逃れようと手元の首輪を触るが、見えない上に構造が理解できない。
「おしい」
身体を強張らせる小十郎に、そうの声が笑った。
「まあ、でも小十郎が食材なのは当たり」
腰に乗るの指が、小十郎の腹に触れる。
正確には結び目だ。
衣擦れの音と共に結び目が解かれ、小十郎は息を呑んだ。
下腹の危うい部分を、わざとなのか指ではなく爪先で触れてくる。
それがまるで刃を当てられているような錯覚をさせた。
「小十郎」
「ぐ、」
指の付け根が痛むのも構わず暴れると、鼻ごと口元を押さえつけられた。
「俺は政宗でも構わないんだよ」
顔を近づけたは、少しも笑っていなかった。
獅子は兎を狩るにも全力を尽くすという。
なら鬼は捕らえた竜を美味しく頂く為に全力を尽くす。
政宗の名前を出すと途端に大人しくなった小十郎だが、その殺気は変わらない。
僅かな拘束具で動きを封じられつつも、どこまでも攻撃的な竜に、鬼は嗤う。
「・・・ぐ」
舌を入れれば容赦なく噛み付いてくるだろう。
だからは敢えて唇ではなく、傷跡残る頬に口付けを落とした。
まるでそこが口かのように舌で表面をなぞり、ちう、と音を立てて吸うと、拘束された両手がの胸を押して、小さな抵抗を示す。
無意識なんだろうが、顔が逸らされて逆に頬が舐めやすい。
そのままこめかみまでべろりと舐め上げ、汗の味が残る生え際にキスをし、薄い耳たぶを食む。
軟骨に歯を当て、息を吹き込んで穴に舌を差し込んだ。
「・・・食うならさっさとしろっ!」
擬似セックスを楽しむように抽挿を繰り返すと、小十郎が吠えた。
眉は寄ってるが、頬が赤い。
怒りの為か、羞恥の為か。
「小十郎さあ、牛蒡、生で食べたりしないでしょ?」
「・・・あぁ?」
「牛蒡だって人参だって金平にした方が美味しいじゃん?」
「何が言いてえんだ、てめえは」
「察しなよ、知将なんでしょ?」
そう言えば、ギンッと音がしそうな勢いで睨まれる。
だが生憎そんなもので怯むほど健全ではない。
怒った顔もエローいとか考えながら、余っている手を小十郎のズボンの中に突っ込んだ。
小十郎は上背のわりに細腰だ。
「手ェ突っ込むんじゃねえっ!」
「そんな大きな声出すと外に聞こえちゃうよ?はべつに構わないけどさ」
「・・・っ」
性器を包んで膨らむ布を緩急つけて揉み込むと、小十郎がを睨む。
その顔にゾクゾクする。
思わず舌なめずりをすると、歪んだ欲望に晒された小十郎が、の下で身を捩った。
「なんて顔しやがる」
「小十郎が美味そうなのが悪い」
「この化け物が」
「だからそれ誉め言葉だって」
「・・・クソが」
唸る小十郎の首に舌を這わせながら、褌の結び目を解いた。
まだ身を清めていなかったのか、喉仏を這う舌が汗に混じった僅かな鉄の味を感知して、の理性を侵食してくる。
舌を強く押し当てると、小十郎の命の本流がどくんどくんと舌を押し返してきた。
薄皮の下にあるそれは、がほんの少し牙に力を入れれば手に入る。
『まだ、・・・まだ早い』
本能に食われそうになった理性が、小さく呟く。
獲物を性的に高めなければ、その味は獣と大して変わらない。
「しつけェんだよ、バカが!!」
ゴッ、といい音がすると同時に、小十郎が顔を顰めた。
痛みがないが、トリップしてた為に面食らう。
被害はの腹に膝蹴りをしてきた小十郎の方が断然でかい。
「なに他のところも触ってほしいの?やらしいなあ、小十郎は」
「さっさと終わらせろっつってんだ!」
違うと分かってて、そうからかうと青筋立てた小十郎が怒鳴った。
「でも協力してくんないと早く終わんないよ?」
「何の協力だ、この色狂いが。寝言は寝て言え」
「小十郎はさ、じっくりゆっくりねっとり可愛がってほしいんだ?」
「飯はどうしたっ」
「だから今仕込んでるでしょうが」
「うっ・・・!?」
緩めた褌の中に手を差し込むと、未だ芯のない小十郎の陰茎に触れ、そのまま根元に布のリングを通した。
リングの違和感に一瞬眉を寄せた小十郎だったが、何をされたかはの体に阻まれわからなかったのだろう。
目立った抵抗はしてこなかった。
小十郎の顔を見ながらそれを愛撫する。
男という生き物は悲しいかな、直接刺激を与えられれば意思とは関係なく勃たせてしまうものだ。
小十郎も例外ではなく、その雄が芯を持ち始めた。
やがて鈴口にぷくりと水の球が浮くようになると、はそれまでの欲望を煽る動きを止めた。
噛み締めていた小十郎の口が、ハッと息を吐く。
その瞬間を狙って、親指で鈴口を抉った。
「ぐうっ」
突然の痛みを伴う行為に小十郎が悲鳴をあげる。
小十郎のような真面目で潔癖で堅物の男があられもない悲鳴を上げる様は実に良いものだ。
ぬめつく親指で円を描くように亀頭をなぞり、小刻みに身体を震わせる小十郎を堪能する。
「は、・・・あっ?」
あと少しで達する、というところで、小十郎はやっと自分の置かれた状況に気づいたようだ。
根元を締め付けるリングのせいで達することができない。
「て・・・めえっ、俺がこれで屈すると思ってんのかっ」
「屈してもいいけど止めないよ?」
「あ? ・・・わっ、ぁが」
吠える小十郎を引っ繰り返し、緩んだ褌ごとズボンを膝まで引き落とした。
そのままズボンを踏めば、首輪と両の親指を繋ぐ拘束具のせいで、に向かって尻を差し出す形になる。
振り向いて確認することすらできない小十郎の怒号がの耳を擽った。
尻たぶを割られ、ふう、と息を吹きかけられた。
そうすると嫌でも腹に力が入り、そこが収縮するのがわかる。
あの屈辱が頭を過ぎり、怒りやら羞恥やらで眩暈がした。
「声は好きなだけ出すといいよ」
の声と共に、尻穴に息がかかる。
間もなくぬるっと熱いものがそこに触れ、ぞわっと瞬間的に肌が粟立った。
それがの舌であることは、その動きで嫌でも思い出させられる。
蕾を抉じ開けるように侵入してきた長い舌を伝い、唾液を流し込まれた。
「ぐっ・・・は、」
掌で亀頭全体を包まれるように愛撫されると、気持ち悪さを凌駕する快感が小十郎を襲う。
反射的に舌を締め付けると、が笑った気配がしてカッと顔に血が上った。
だが悪態を吐く間もなく何かが入ってくると、それもどうでもよくなる。
「う、変なもん・・・入れんじゃねェ・・・え」
「指だってば。それに気持ちよくなるって知ってるくせに」
「てめえ・・・地獄が見てえ・・・か」
はらりと落ちる前髪に、空気が静電気を孕む。
「じゃあ俺は極楽でも見せてやろうかね」
極殺化しても怯む様子がないは、有言実行とばかりに攻め手を強めた。
指を二本に増やされ、それが中を探り、張りつめる睾丸を愛撫される。
「覚えてる?ほら、ここが小十郎のいいところだよ」
嘲りを含み、が指の腹でなぞるそこから滲み出るような快感が走る。
「う、くっ」
声なんて出したくない。
出したくないのだが、そこを擦られるたびに息にも似た喘ぎが零れる。
「は、・・・はっ」
いつの間にか寝台に陰茎を押し付けていた。
出したい、出せない、出したい、出せない。
がちゃがちゃ、と首輪が鳴る。
塞き止めるそれを外したいのに、自由がない。
「んっ、・・ぐっ、は」
もう疾うに限界だというのに、指がまた増えた。
増える圧迫感よりも、満たされる悦楽が上回る。
「あっ、がっ」
数回抽挿を繰り返された後、根元まで突きこまれて、閉じていた筈の視界が真っ白に染まった。
がくがくと震える小十郎の背で、が笑う。
「あは、見て小十郎」
その声に虚ろになっていた意識が浮上する。
目の前にの指。
ねっとりとした透明な粘液が指の間どころか掌全体を濡らしてる。
「なん、」
「小十郎の、だよ」
いっぱい出たね、と子供を誉めるようにが言った。
理解できずにいると、引っ繰り返される。
首だけ起こすと、てらてらと光る自分の陰茎が見えた。
限界まで膨張し、小刻みに震えている。
明らかに痛みを訴えつつあるそれを掴まれ、小十郎は咄嗟に悲鳴を噛み殺した。
「もっと気持ち好くしたげる」
淫魔すら逃げ出す顔で、が艶然と小十郎を見下ろし、腰を跨いだ。
興奮に乾く唇を舐め、持ってきておいたアレを引き寄せる。
それを自分の口元まで持ってくると、小十郎は笑えるくらい盛大に眉を寄せた。
そう、これは以前小十郎を弄るのに使った、あのガラスの張り形だ。
どこか陶然としていた顔に小十郎特有の威圧が戻り、は喉の奥でくつりと笑う。
「期待しちゃう?」
「誰がするか・・・っ」
『何で俺、イケメンの巨根に生まれなかったんだろ!』
噛み付くように吠えた小十郎の声が掠れていて、はその色気に内心舌打ちする。
だがの心情を知らない小十郎は、生来の負けん気が頭を擡げたか、生理的に浮かぶ涙そのままにを睨みつけてきた。
それが嗜虐を誘うと知らないのだろうか。
「でもほら覚えてるでしょ?これで貫かれて後ろだけでイッたこと」
意地悪く問うとさっと小十郎の顔に朱が走り、眉間の皺が増えた。
いつの間にか乱れていた前髪もあって、その顔の威力は倍だ。もちろん色気の話だ。
『さっきだってリングなきゃイッてたもんねえ』
感じやすいのか、の技巧が優れているのか。
は小十郎に見せ付けるように張り形の先端に舌を伸ばした。
フェラをするように雁首をなぞり、ねっとりと茎に舌を這わせる。
意識的に唾液をつけていくと、頼りない明かりの中、それがぬらりと光った。
元々そういうのに弱いのか、小十郎が魅入っているのがわかる。
くちゅくちゅとわざと音を立て、耳の中、脳まで犯してゆくと、無意識に快楽を強請る竜が、鬼の股座に亀頭を擦り付け、腰を揺らし始めた。
「んふふ、コレが欲しいか?」
「・・・畜生が」
にたりと笑えば、酔っていた顔が正気に戻る。
「う、く・・・てめえ」
腰から下り、小十郎のズボンを膝から抜くと、は彼の片足を肩に抱えた。
最奥に先端を宛がうと性懲りもなく小十郎が抵抗する。
「力入れなくっても飲み込んじゃいそうだね」
ひくつくそこを揶揄すれば、小十郎が呻いた。
「・・・黙れ、クソが」
「堕ちちゃえばいいのに」
「地獄にゃ一人で行きやが、・・・ぐっ」
先端を押し込むと、小十郎が力んで抵抗を示す。
「抵抗するのは勝手だけど、それだけ苦痛が長引くよ?」
「うるせ、・・・あ、あ、う、ぐう・・・」
息を詰める小十郎の抵抗を無視して根元まで埋め込むと、軽く小十郎がえずいた。
そのまま激しく抽挿を・・・なんてことはせず、は自分の帯に手をやる。
だが全部は解かず、少し緩む程度で止めた。
息も絶え絶えな小十郎に覆い被さり、まなじりの涙の痕を舐めると、歪んだ顔がを見る。
前のように唾を吐きかけてくるかと思えば、口元に挑戦的に睨んできた。
この状態でよくもまあ、と感心したような呆れたような、奇妙な思いでそれを見ると、息を落ち着かせた小十郎が口を開いた。
「何でてめえは男に突っ込みやがる・・・」
「そりゃ小十郎がエロいからじゃん」
「てめえがっ、・・・股開きやがれ!・・・それとも何か、啼かされんのが・・・怖ェってのか?」
「言うねえ?自分の方が咥え込まされてるってのに」
「てめえがやってんだろうがっ!!・・っつ」
吠えて直ぐ小十郎が眉を寄せる。大方腹に力が入って張り形が動いたんだろう。
このまま嫌になるほど張り形で虐めるのもいいが、少し趣向を変えるのもいいかもしれない。
「じゃあお言葉に甘えて」
ニッと笑いかけると、小十郎が「あ?」とヤクザ顔負けの顔をを見上げた。
「は、」
落ち着こうと出した息が、興奮に震えた。
腰に跨るが誘うように、着崩した着物の裾を持ち上げる。
わざとなのはわかってる。
だが見えそうで見えないそこに期待してしまうのは雄として当然だろう。
は、は、と暑さでやられた犬みたいに浅い息を繰り返す自分に気づきながら、魅入る。
もう少しが腰を落とせば、入る。
早く、・・・・・・――。
先端が当たったそこはもうすでにたっぷりと濡れていて、いっそう期待を煽られた。
だが。
「・・・んっ」
「あっ?」
与えられた熱は小十郎の陰茎を包まず、上を這った。
肉厚な襞が陰茎の表面を這い、下腹部を濡れた茂みが擽ってくる。
「てめ、」
思わず出た声は、酷く情けなかった。
が堪えるような息を漏らす。
そのままぬちゅ、にちゃ、と濡れた音を立て、が腰を前後に揺らしてなまめかしい声を上げた。
胴に置かれた手に圧迫感を覚えるが、それよりもやらしく体を震わせるから目が離せない。
何一つとして、女性的な部分を見せられていないのに、何故こんなに煽られる。
考えようにも、既に思考の大半が使い物にならない。
ず、と根元から先端まで腰を動かされると、無視できない愉悦が起こった。
でもそれは酔えるほど激しくも強くもなく、ただ翻弄される。
「は、」
動くたびに見えそうになるのに、どうあっても見えないその場所が、淫猥な想像を掻き立てる。
その時、先端が膣口に触れ、とろとろと濡れる感触に堪らなくなった。
ぐ、と腰を入れてもうまく躱され、思わず舌打ちする。
「もういっか」
突然髪を掴まれ、そのまま後ろに引っ張られた。
痛みに顔を顰めたが、間近にあるの顔にハッとした。
「いただきまーす」
弧を描いた口に、やけに鋭い犬歯が見えた。
直ぐに反った首に痛みが走り、同時に、ぬぐ、と焦がれた熱に陰茎が包まれた。
剥がそうとしても拘束に邪魔され、僅かに押し返す程度になる。
全身の力が抜けてゆく奇妙な感覚と、こくこく、と液体を飲む音。
それが何を示すのか理解する前に、与えられた愉悦に思考が蝕まれてゆく。
もう抵抗する気力もなくて、力を抜くと、が顔を上げた。
うっとりと見たこともないような無防備な顔で小十郎を見、それから赤に汚れる唇を舐める。
そのどこか背徳的な光景を、ぼう、と見ていると、が自分の股座に手を突っ込んで、怒張する小十郎の陰茎をなぞり始めた。
その探り探りの指が根元を擦ると、ぶつ、という音と共に酷い解放感に襲われる。
塞き止めていた輪が切れたのだ。
「は、」
途端に湧き上がる射精感に息を詰めると、の指がそのまま下に下り、半分顔を出していた張り形に触れ、それを掴んだ。
「よせ、やめ・・・っ」
察した小十郎が大声を上げるが、容赦なく中を抉られた。
「あっ、ぐうううう・・・っ」
次の瞬間には中に吐精してしまっていた。
目がちかちかする。
「いろんな意味でお腹一杯」
「・・・くたばれ」
ニッと笑い満足そうに腹を撫でるに、自己嫌悪で一杯の小十郎はそう悪態を吐くのが精一杯なのだった。
早朝、なんとか自分の幕舎に戻った小十郎は気配を感じて振り返った。
頬を掻いてこっちを見てるのは、武田の忍びだった。
「何か用か」
不機嫌なままそう問えば、「んー」と曖昧に笑う佐助。
「・・・なんだ」
ちょいちょいと手招きをする佐助に、不審を抱きながらも近づくと手拭いと軟膏を渡された。
「あ?」
「見えてるからさあ・・・その、ね」
佐助の首を指す仕草に眉を寄せていた小十郎だが、ハッとしてそこを隠す。
が吸った首は、牙の痕どころか強く吸われたせいで結構な鬱血になってる。
しかも拘束の痕付きだ。
「声凄かったし、その、後ろ痛むなら使って?」
「あ・・・? あ゛ぁっ? おいこら、猿飛・・・っ」
小十郎が何を言われてるか気づいた時にはもう遅く。
その日の戦で、雷警報が発令されたのは言うまでもない。
***作品情報***
拙宅の『Vampire panic!』設定でお書きになりたいと言う素敵申し込みがありましたのでokしました翌日に頂きました。
作者…鯨様(三双魏延夢サイト→妄想処くじら本舗)
***城コメント***
うちの男前過ぎて始末に困った娘っ子がこじゅに食べられ・・・・食べ・・・食べら・・・・あれ?
兎角素敵なシチュですね!攻めることしか考えて無かった罠。こういうのもアリだなぁ。
文体も勿論城とは違いますし、細かい言いまわし、言語の選びも異なります。そこがタマラナイ。
きんぴらの例えに思わず納得。確かに料理した方がおいしいね!
ほかほかのこじゅは美味しすぎました。おかわりっ!(何杯でも行けます)
うちの佐助よりカワイイ佐助も注目ポイント。なんだか仕草とテレがカワユイねぇ・・・・ふへ(←)