【 軍師と遊ぶべからず 】
「ロン」
「食い仕掛けでしたか・・・・・」
「勘弁しておくれよ。あっしはもうすっからかんだ」
「しかも立直(リーチ)、一発(イッパツ)、清一色(チンイーソー)か・・・・・・」
一部屋に軍師が皆集まって卓を囲んでいる。
大きなあがりは見ていて楽しいので、他の武将は杯片手に気安く眺めていた。
勝負はトーナメント式で行われており、
壱 、孔明、ホウ統、周喩
弐 呂蒙、陸遜、司馬懿、魏延
何故軍師でない魏延が入っているのかと言うと三人麻雀は直ぐに上がってしまってつまらないからである。
壱の卓ではの大技と食い仕掛けでロン上がりが多い。
他の三人は取られに取られまくって点棒が無くなりつつある。
弐の卓は意外な事に魏延が勝っている。
彼はおつむが軽いので(?)余り狙わずに鳴いて鳴いて鳴きまくって揃えていた。
軽いあがりだが地道に稼ぐ。
そして結果的に(点数計算)残ったのは、周喩、孔明、魏延。
この4人で優勝を決めるのだが、がまた妙な事を言い出した。
「折角だ。脱衣麻雀なんてどうかぇ?」
「脱衣・・・・」
「麻雀・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
要は一局毎に一番負けが一枚服を脱ぐのだ。
面白がって外野が囃す。
特に張飛と甘寧。
馬超や夏候惇は渋い顔。
劉備と孫策は苦笑で、曹操はにやにやしている。
女性陣は特に小喬と月英が熱くなっていた。
「大丈夫ですわ、孔明さまは脱いでも凛々しいままです!」
「むむっ、周喩様だって脱いだらすっごいんだからぁ!」
(((旦那が脱ぐのは自慢なのか)))
皆女の考えは分からんなと酒を飲む。
結局外野の面白がりによって脱衣麻雀は開始されたのであった。
「チー」
「何、ここで鳴くか・・・・・」
「魏延は鳴くからな。夜も」
「訊いていません。むしろそういう事はあけっぴろげにしないでください」
孔明の言葉に、がにやっと笑う。
「何だ、どうも捨て牌が保守的だな。そんなに脱ぐのが嫌か」
「嫌ですよ」
「背に誰ぞの不義な爪の痕でもおありかぇ?」
「ありませんよ・・・・・・」
の挑発にも孔明は牌を片手に冷静だ。
周喩は配牌が良くなかったらしく悩んでいる。
魏延は思いっきり牌を奇麗に並べ替えるという愚行を犯していた。
これでは何が来たかが丸分りである。
「頑張って、周喩様!勝ったら耳掻きしてあげる!」
小喬の言葉に、大喬が孫策にそっと囁いた。
「私、小喬の耳掻きで耳から血が出ました・・・・」
「げ、まじか」
「はい・・・・とっても痛かったです。上手なんですけれど、深追いしてしまうようで・・・・・」
取れない耳垢まで追うからそうなるのだ。
周喩は体験済みらしく、引き攣った笑みで小喬に微笑んでいた。
「では孔明様、勝たれましたら私張り切って秘蔵のお茶を入れますわ」
「それは楽しみですね」
月英の淹れる茶は美味い。
彼女なりに茶葉も厳選しているようだから、これは期待が持てるだろう。
「なら魏延、お前が勝ったらか封神演技を何夜か掛けて読んでやろう」
「・・・・我、勝ッテミセル・・・・!」
魏延はの声を聞くのが好きだ。
話を聞くのも、物語も、戯言でも。
それがあの長い幻想奇譚を読んでくれるというのだから、おのずと力も入ろう。
「ナラ、オ前ガ勝ッタラ」
「一晩、言う事を聞け」
「ゥ・・・・・・ワ、ワカッタ」
「何だか他の三人に比べて業突く張りな条件出したねぇ」
ホウ統が苦笑して酒を飲む。
勝負を離れればもう酒も解禁だ。
が目を細める。
「立直」
「くそ、またか」
「ポン」
「魏延、よくやりました」
「ちっ」
立直の後一周以内に鳴かれると一発と言う役がつかない。
すなわち点数が下がるのだ。
「俺も鳴くか・・・・・」
「がか?今迄二回しか鳴いていないだろう」
「勝つ為には折れる事も必要ですよ」
「立直一発に命賭けてる訳でもあるまいし・・・「ツモ」」
「「「?!」」」
魏延がぼそっと呟く。
ツモは人の捨てた牌であがるロンに対し、自分が引いた牌であがる事である。
役は断ヤオ九(タンヤオチュウ)。
安いあがりだがあがりはあがりだ。
点棒を渡して、三人席を立つ。
ロンであがるとあがりの牌を捨てた者が点を全て払うが、ツモは誰にも責任がないので残りで役の点を割って平等に責任を取るのだ。
よって「脱衣麻雀」である今、三人一枚ずつ脱がねばならない。
「あら・・・・孔明様は肩が意外としっかりしているのね」
「ふふ、そうですよ」
瓢姫の言葉に月英が微笑む。
孔明が小さく溜息をついたのが聞こえた。
「周喩様だって肩とか凄く格好良いよ!おっきくってしっかりしてて!」
「周喩様は戦われますものね」
小喬の「自慢を聞いて!」にも月英は優雅に笑う。
それを尚香の言葉が遮る。
思わず出た感嘆だった。
「わ・・・・奇麗・・・・・」
の肩口が晒される。
白く滑らかで、華奢だった。
大人になりきらぬ少年めいた中性的な美だった。
「これは・・・・・・」
「むむ・・・・・・・」
「美しいですわ・・・・・・」
皆の言葉に、の目が胡乱になる。
「俺は女でない。奇麗は聞き飽きた」
随分と贅沢な事だがまぁそうだろう。
気を取り直して諸肌のままに二局に移る。
「カン」
「ポン」
「・・・・・・・・・・・・・・どうしたものか」
「立直」
「チー!」
「よくやった」
「後はロンに気をつけねばなりませんね」
「・・・・・ふふ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ロン」
鳴きにもめげず、魏延の捨て牌でが牌を倒す。
一発は無かったが・・・・・
「門前清自摸(メンゼンチンツモ)平和(ピンフ)立直、ドラドラ、よって満貫・・・・結構厳しいですね・・・・・・」
孔明が呟く。
因みに今のはロンであるから魏延が全て払わなければならない。
「ム・・・・・・・」
「点棒もいいが衣を脱げ」
点棒を渡して、上の衣を脱ぐ。
孫策が口笛を吹いた。
「すっげぇ接吻の痕だな」
「?!」
魏延ははっとして己の身体を見下ろした。
消えかけから真新しいものまでべたべたにキスマークが付いている。
「ェア、ゥ」
「着直すな」
「出来れば着て欲しいが」
「同意します」
顔を真っ赤にして衣を着直そうとした魏延にが言う。
周喩と孔明は溜息しか出ない。
かくしてこういう形で勝負は進み、やはり魏延が一番負け。
二位が孔明、周喩は百差で辛くも三位。
勿論一位はである。
魏延は脱げるところまで脱がされ・・・・る前に点棒が無くなったので局は終了した。
危ないところである。
「では、今夜楽しみにしておるぇ?」
嗤って席を立つに、背筋を悪寒が駆け抜ける魏延だった・・・・・。
「ほら、出来ぬのかぇ」
「ゥ・・・・・・・・」
身体を軽く愛撫されてから最奥を解され、魏延は膝立ちで、壁に背を預けて寝台に座るに向き合っていた。
乗れ、と言うのだ。
乗って自ら腰を振り立てて達して見せろ、と。
いくら魏延でも許容しがたいものがある。
低く唸って躊躇していると、がにやにや笑う。
「あまり待たせると萎えてしまうぞ。そうしたらお前が口で起たせてくれるな?」
「!」
もう腹を括るしかない。
魏延はの腰を跨いだ。
立ち上がった男根に手を添えて、自身の最奥に当てる。
ゆっくり腰を下ろすと、ひざに力が入っている所為かいつもより痛かった。
「ンン・・・・・・・」
「ふふ、上手い上手い」
ぐぶぐぶと飲み込んで、尻たぶがの腰に付く。
の腹に手をついて息を整えるが、上手くいかない。
吐息が震える。
いつもより結合の深い感覚。
が何も言わないでただ楽しげに笑うのが悔しくなって、魏延は腰を持ち上げた。
ずるっと抜け出て、魏延の其処は亀頭を含んだままきゅうと締まった。
「ハ、アァ、ク・・・・・・・」
今度は腰を落とす。
最奥が押し広げられて、襞が伸びる。
何度も繰り返すが、は魏延を眺めてご満悦といった風なだけで、堪える風は無い。
魏延は限界が近かった。
膝が笑い、男根はだらだらと蜜を垂れ流している。
それでも頑張って奉仕を続けるが、突然膝が限界を切って崩れ、ギチュゥッと大きな音をたてて深く繋がる。
「アァ・・・・・!!!」
「ッ・・・・・・・・・・・」
の腹に白濁の粘りが弾け、魏延の甘い悲鳴が耳を擽る。
深い繋がりに根本も根本をぐーっと締め上げられて、は魏延の中に熱を放った。
熱い粘液が腹の中を逆流する感覚に、魏延の肘も崩れる。
繋がったままの腹に蹲り、魏延は荒い呼吸をついた。
その視界が反転し、背が柔らかな寝台に当たる。
銜えたまま押し倒されて、走った痛みと快感に小さく呻く。
「ゥァ・・・・・・・・モウ・・・・・」
「まだだ」
もっとお前が欲しい。
慣れない事をして精神的に疲労していた魏延は、一瞬の快楽の波の間で考えた。
『軍師と遊ぶべからず!』
***後書***
脱衣麻雀が書きたかった。
ネタがないなと思いながら雀・三国無双で小喬、大喬、教祖様と打ちながら、考え付いた!
お気に入りは魏延のキスマーク事件です。
皆に見られればいいよ。
麻雀の解説が入ってすいません。
覚えたてなので間違ってても容赦してください。。。。