【 雛祭企画 】
「リベンジです」
「しつこいぞ」
「懲りろ」
孔明に突っ込みつつ集まってしまう十傑。
孔明の手には白いパッケージ。
「プリン○スメーカー、というゲームがあります」
娘を育てて、立派な淑女にするあの有名な?
「そしてこれは」
イワンセスメーカー!
意味が分からない題名だ、だが何のゲームかは一発で分かる。
「ベストエンドは本家と同じく」
父と結婚!
一気に熱を上げた十傑。
これはやるしかあるまい!
「では、やっていきましょう」
一番手、絶対駄目そうな男。
衝撃のアルベルト。
『お父様、遊んでください』
『断る』
『お父様、出かけてきますね』
『ならん』
『お父様・・・・・』
当たり前だが。
4日目でパラメーターが悪化し、6日目で。
グレた。
目付きの悪い仮面の忍者のバイク後部に乗り、腰に手を回し。
『お父様なんて、大嫌い』
ブォォォォン・・・・・。
不良娘に!
「はいはい、参加した頑張り賞」
幻惑に飴を握らされて不服なアルベルト。
何故うまくいかんのだ!
「現実のイワン君が君に物凄く甘いの。仮想よりずっとずっと、我慢してくれてるんだよ」
これを機に少し対応考えないと。
「本当に誰かと一緒に出て行っちゃうよ?」
薄ら寒い話だ。
無いと思いつつ、時折あれが一人泣いている事も知っている。
「・・・・・善処する」
「別にしなくても良いよ。事実を言っただけだし、私は攫いやすくなるんだから」
目を意地悪く細める幻惑に、溜息の紫煙を吐いた。
「では、私がやってみようか」
進み出るヒィッツカラルド。
『お父様、お買物に行きませんか?』
『ああ、分かった』
ショッピングモールに背景が切り替わる。
何を買いに行きますか。
A…普段着
B…下着
B選択。
『お父様と下着をお買物するなんて思いませんでした』
少し恥ずかしそうにしながら、大好きな父が買い物に付き合ってくれるのが嬉しそうなイワン。
何て可愛いわが娘!
『これなんてどうだ?』
『豹柄ですか?でも』
そんな大きな胸、私には無いですし・・・・。
一転、寂しげに微笑まれる。
しまったと思った時は遅かった。
娘と言ってもイワンは男、でも多少どころか夢を詰め込んで乙女成分をふんだんに突っ込んでいるため。
『ひっく・・・・・』
な、泣いてしまった!
『イ、イワン』
『お父様の馬鹿!』
走って行ってしまった。
追おうとしたその耳に。
キキーッ・・・・ドムッ・・・・「誰か撥ねられ・・・・」
娘が事故に!
そして、そのまま、彼に似合う白い病室で。
今でもずっと、眠り姫。
「・・・・設定が難しいぞ」
いつもの自信満々が微妙に揺らいでいる伊達男は、コントローラーを怒鬼に渡した。
「・・・・・・・・」
『お父様、武者修行に出たいです』
武者修行コマンドは確かに本家にも似たようなものがある。
だがそれは金銭を得るためで、このばったもんについては父の所持金に上限がない。
努力家らしいイワン的な発言と言えよう。
『駄目・・・・ですか?』
『怪我をしたら、嫁に行けなくなる』
『えっ・・・・・』
目を瞬かせ、イワンはおろおろと頷いた。
『わ、分かりました』
大人しくしています。
そう言って、家事や花の世話をするイワン。
毎日父と一緒、二人きり。
これは中々良い路線ではなかろうか。
そして、30日目。
リンゴ―ン
『お父様・・・・・』
ヴェールを少し上げて微笑むイワンの清純な愛らしさ。
頬を染め、少し恥ずかしそうに照れているのがまた可愛い。
『お父様、ヴァージンロードを、一緒に・・・・』
?!
新郎ならもう向こうで待っている筈だ。
ヴァージンロードを一緒に歩くのは父親だ。
何故?!
『お父様しか知らなかった世界から連れ出してくれたあの人と一緒になれて、私は幸せです』
そこか!
とても嬉しそうに微笑まれては何も言えない。
余程リセットしてやろうかと思ったが、この子を攫うハゲタカの顔は見ておきたい。
『あぁ、イワン君。綺麗だね』
ステンドグラスを通した鮮やかな光を受ける、純白のタキシード。
神の御前でサングラス。
髭が鬱陶しいこの男の名は。
『セルバンテス様・・・・・』
どうしてこんなの選んじゃったの!
余りに残酷な現実に、父怒鬼はコントローラーを投げて拗ねてしまった。
勝手にセーブし、3番手レッド。
彼はゲーマーで、前回の教訓も覚えている。
基本的にはアクションが得意な男だが、ゲーマーと言うものは管轄外でもそこそこできるものだ。
『お父様、武者修行に出たいです』
『私が稽古をつけてやる』
さぁ、来るがいい!
銃弾を避けつつ檄を飛ばす。
『馬鹿者!それでは当たるものも当たらん!』
『はいっ!』
『動きが遅い!』
『はい!』
めまぐるしい戦い。
毎日毎日、戦いに明け暮れる二人。
大岩に座り、二人で夕日を眺める。
『お父様・・・・私は嬉しいです』
『・・・・・そうか』
『戦いの中で、得るものもあるのですね』
目を細めて笑う人の頬に走る乾いた血を拭って、舐める。
イワンが愛らしく笑ってくれた。
『お父様・・・・いえ』
戦友(とも)!
「何でだ!」
コントローラーを勢いよく床に叩きつけたレッド。
しかし十傑癇癪対応仕様にイワンに改造させたため、びくともしない。
一説には原料がオリハルコンともいわれる。
「お前は、お前は、お前だけは信じていたのに!」
「父親に似たんだろう?」
どちらも餓鬼大将(G君)の台詞じゃないか。
引き籠っては頓珍漢な青い猫のロボの話を初版漫画で読んでいる幽鬼。
その破壊の一撃に、レッドは何故か回復した。
「そうか、私に似たのか。可愛い奴だ」
自らが妹が漫画家の餓鬼大将であると認める事に抵抗ないレッド。
機嫌を直してコーラを飲んでいる。
ぽてちを摘まむ姿は完全にゲーマーの基本スタイルだ。
「では、私もいいかね?」
残月が、コントローラーを握った。
『お父様、お裁縫をお勉強しようと思うのですが』
『ああ、良いんじゃないか?』
微笑み、首を傾げる。
『針は私が作ってあげよう。ここに十本ほどあるからね』
九傑+策士で数がばっちり合うが、気にしない。
『では、がんばりま』
『これで練習してくれないか?』
差し出される靴下。
穴が開いているが。
『お父様のですね』
微笑んでくれるイワンだが、これから悪化していく。
『出来ました』
『ではこれを』
『出来ま』
『これを』
『出来』
最初は靴下、次は下着、その次はシミのついた下着。
そしてちらと顔を上げたイワンは。
穴が開いていない薄いゴムの包装の上から針を刺して穴をあける最低男を発見した。
『お父、様・・・・?』
『あぁ、何だね?』
さらっと流しても、流せないものもある。
イワンは涙を滲ませて目を釣り上げた。
『私は女ではありません!』
ツッコミどころが間違っている。
『いつも身体をお触りになるから知っている筈です。昨日はちゃんとお腹が痛くなるからつけて頂きたいと申し上げた筈!』
えぇ?!
既に出来てるのか?!
『初めてでは可哀想だし、慣れるまでは付けてくれるとおっしゃったではないですか!』
あぁ、初めての時につけてくれるって話か。
つまり一応父親を受け入れる覚悟はあると。
『お父様なんて、お父様なんて・・・・!』
私よりわさびが好きなのでしょう!
何故わさび?!
全員が残月を見る。
彼は口元を笑ませた。
「いや、先程アイテムの『わさび』を手に入れたのでね。勿論チューブではないよ」
異物挿入マニアには垂涎ものだ。
ひりひりするし、いぼいぼで、些か小さいがまあまあの大きさ、それが魅惑のアイテム『わさび』。
「そしてそれを握り締めて若干息荒げている所を見られてしまってね」
何故か好感度が下がってトラウマが上がったよ。
全然『何故か』でない話だ。
父の衝撃映像にどんなに傷ついた事だろう。
『お父様の変態!』
「ああ、堪らんな」
ヒステリックに罵られた内容が『変態』であることに悦に入っている最年少。
もう、悪の組織とか環境とかじゃない。
これは持って生まれた素質だ。
弟にも期待したい。
「では、次は誰がいくかね?」
「挑戦」
十常寺。
『お父様、お料理を練習したいのですが』
『中華なら可』
『はい』
中華料理を練習するイワン。
可愛いエプロン姿。
『ほら、お父様』
差し出す肉まんには、狸の目が書かれていた。
尻尾も付いている。
『謝々』
笑って頷くイワン。
彼は料理をしながら話しかけてくれた。
『お父様、長生きしてくださいね』
えっ。
まるでおじいちゃんに言う台詞だ。
が、よく考えればこの場の二人は既にそういう年齢。
入力内容としては『うん歳』になるわけで。
認識は、おじいちゃん的なものに。
若いのは年下でも認識しないのに、年食うとこうなるらしい。
『・・・・露特工が幸せになるまで、一緒に』
『お父様・・・・』
つまり、自分がモノにするまでと言いたかったのだが。
イワンは満面の笑みで隣の何かを掴んで引き寄せた。
画面いっぱいに映る、白のタキシード。
『お付き合いしているアルベルト様です』
な、何だって?!
箱に入れるどころか牢獄で飼いならし純粋培養した娘が何故?!
『アルベルト様とは、おつかいに行った時にぶつかって・・・・』
頬を染め、隣の男を見やるイワン。
そのまま背景が一度ぼけて柔らかく切り替わる。
背景が、教会に。
神の僕の彫像を背後に堂々佇む帝王。
黒しかイメージがないが、白も中々似合う。
『アルベルト様・・・・』
近づく唇。
いつも見慣れているため、皆動揺しない。
次の順番を決め始めた。
見ているのはアルベルトだけだ。
「私、か」
幽鬼がコントローラーを握る。
『お父様・・・・どうして』
呆然と見上げてくる娘の片手片足、そして首に鎖を巻き『座敷牢』に監禁。
怯える黒い瞳の中に映る、狂気の笑み。
『何故?お前がそれを言うのか』
ネクタイを引いて、顔を近づける。
『今日男といただろう』
『あ、あれはただ、道を聞かれ・・・・』
『口答えするのか』
目を酷薄に細めた毒蛇に、イワンが硬直する。
『も、申し訳・・・・』
謝るその身体を引きずって、布団に沈める。
『ゆる、し、て、くださ、い・・・・』
すっかり怯えるイワンの身体を撫でまわし、噛みつく。
萎えている雄を扱き立てて無理矢理立たせ、袋を揉みしだいた。
『お、お父、様』
『何だ』
『こ、こんな事は、いけませ、ん・・・・』
首を振るイワンの頬を舐め、幽鬼は奥を探った。
引き攣れる痛みに身を捩るのを押さえつけ、差し入れ掻き混ぜる。
『んくっ、ふ』
『ふふ、いつの間にか大人になっていたんだな・・・・』
身体反応をからかわれて、イワンは頬を染め涙ぐんだ。
慣らす色合いが強いそれは、快楽は少ないが良くほぐれた。
指が引き抜かれ、宛がわれ。
イワンの顔が青褪める。
『待っ・・・・んはぁっ!』
『・・・・ふふっ』
ずずずず、と犯され、イワンの身体がもがく。
開始される律動で、白い身体がくねった。
『いた、痛い、っ』
『ああ、痛かろう。痛みを忘れるな』
我慢しなかったため、具合の良い中に割とすぐに出た。
中に吐き出される熱い精液に、イワンの目から涙が流れ落ちた。
『酷、い・・・・赤ちゃ、ん、でき、ちゃ、う・・・・』
隠しボイス(No.04)GET!
父親でありながらやった所業の極悪さはピカ一だ。
矢張りヤンデレの本気は面白い。
「ああ、すっきりしたな」
中々見る事の無いイイ笑顔で言った幽鬼。
日にちが進むが、画面の中にはつながれたままのイワン、そして孕んでいるのが一目で分かる腹部。
何だかヒィッツの時を考えると、設定が曖昧だ。
しかし気にしない。
「で、では儂が!」
でてきた樊瑞。
サニーを頑張って育てている現役だから、面白味がなさそうだ。
『お父様、本を読んで下さいませんか?』
現在2日目、イワンの年齢は10歳。
一週間で33歳に育て、そこからが腕の見せ所だ。
が、魔王は既にここで発揮していた。
ロリコンは限定ショタコンでもあったらしい。
『ああ、いいぞ』
どの本を読んであげる?
A…あかずきん
B…赤猫殺人事件
C…夜に咲く赤い花〜酒池肉林〜
迷わずC!
『夫人は奉仕しながら下女の顔を見た「さあ、早くお前も」』
何を読んでいる。
10歳のイワンにエグいエロ。
人妻と使用人の女性の爛れた関係。
百合だ。
『「あぁん、あん、もうだめぇっ」「奥様っ、あぁ、ああああん!」』
淡々と読むが野太い男の声だと正直鬱陶しい。
だが、きょとんとしているイワンが可愛いので構うまい。
しかし。
隠しストーリーテロップ。
一気にエンディングに入った。
『あぁっ、あ、ふぁ』
『イワン君気持ちいい?』
『ん、は、ぃ・・・・っあん!』
『早くせんか』
『んむ、ぅ・・・・ふ』
白と黒の二人の男に奉仕するイワン。
テロップ『子供の頃に擦り込まれた記憶・・・・大人になって、彼は狂宴に身を投じました』
「・・・・だが何故セルバンテスとアルベルトなのだ!」
コントローラーをみしみし言わせる樊瑞。
孔明が羽扇を揺らめかせた。
「色々用意するのはプログラミングが大変ですし」
あっさり言われ、樊瑞は肩を落とした。
「カワラザキ・・・・頼む」
「まぁ、お前さんよりはましじゃろう」
受け取り、スタート。
『お父様、お買物に行ってきます』
『気をつけて行っておいで』
『お父様、お料理を勉強しても良いですか?』
『手を切らんようにな。出来たら味見させてもらいたいがのぉ』
『お父様』
拘束せず、ほったらかしにせず。
引き籠りを育て上げた手腕にかかれば、こんなゲームのAIなど子供だましだ。
『お父様・・・・・』
『どうしたね?』
24日目にして、寝室に現れたイワン。
頬を染め、目を少し潤ませてそっと服の前を開けた。
『いけないと、分かっています。でも・・・・』
大事な処女は、お父様に捧げさせてください・・・・。
隠しボイス(No.16)GET!
キター!
ぐびびっと唾を飲む十傑、一番落ち着いているのがプレイヤーカワラザキであるのが泣ける。
『お父様・・・・・』
そっと寄り添って抱きつく柔らかで温かい身体。
甘い体臭で肺を満たしながら、囁く。
『わしも男、始めればもう加減は出来ん・・・・逃げるなら、今しかないぞ?』
『逃げません・・・・』
見上げてきて、口の端に口づけられる。
『大好き・・・・・』
『いい子じゃな・・・・イワン』
可愛い笑顔を浮かべる頬を両手で包み、たっぷりと口づける。
完徹で4人や5人と遊んで、2時間睡眠で出勤なんてザラだった男。
しかも元気な事に起きて一発手で抜いて出勤、皆の尊敬を一身に集めた。
今でも現役、全然衰えない。
夜の蝶たちは皆、一度はと憧れる、それが衝動のカワラザキ!
『ん・・・・は・・・・』
『心地が良いかね』
『はい・・・・』
素直に素直に育て上げたゆえ、恥ずかしがりながらもちゃんと言う。
『お父様も、気持ちいいのですか・・・・?』
『ああ、お前さんの唇は柔くて心地いい』
『嬉しい・・・・』
可愛い言葉に笑み、ベッドに引き込む。
肌蹴ていた服を脱がせて、身体を眺めた。
『あ・・・・・』
画面いっぱいの白い身体。
モザイクなんて悪の組織が用意する筈も無い。
『良い毛並みじゃのぅ』
『は、恥ずかしいです』
銀の毛並みを梳かれ、硬い男の指が雄や袋に当たる。
恥ずかしさと期待、それに恐怖が入り混じって、イワンは顔を赤らめた。
『どうしたね?』
『あっ・・・・あの・・・・』
もっと、直接的に、触って欲しいです・・・・。
頬を林檎色にして呟くのが可愛い。
『こうかね?』
『あはっ・・・・!』
絶妙な加減で扱かれて、腰がくねる。
毎朝一発抜いていた手際は半端でない。
余りの気持ち良さに身体が跳ねた。
『んく、ふ、は』
『我慢せずとも良かろう』
『あ、だっ、て』
お父様が、まだ。
甘い言葉に苦笑し、下を緩めた。
まず蜜で濡れた指を差し入れる。
男こそ手を出さなかったが、女の前も後ろも弄り倒したこの豊富過ぎる経験。
上手く差し入れて痛みを与えぬように抜き差ししていく。
小さな喘ぎを聞きながら、手際良く、しかし焦らずに。
『そろそろよさそうじゃな』
『ん・・・・お父様・・・・』
首に腕を回して縋ってきたイワンを抱きつつ、宛がって身を沈める。
『ひあ、ぁぁ、ん』
苦しげな呼吸を聞きながら、奥まで収めて動きを止めた。
断続的な締まりに低く唸り、腰を掴んで注挿を始める。
『あっあっあ』
『イワン・・・・・!』
ぐぐぐっと中に入れ、一気に放出する。
熱い雫を受け止めながら擦り寄る可愛い人を抱き、満足げに笑んだ。
そしてエンディング。
『お父様』
微笑むこの小鳥は、飛び方を知っている。
知りながら、望んで。
籠の中に、いる・・・・。
「カワラザキ毎回囲ってるよね」
「好みじゃからのぉ」
「あれでしょ、お妾さんとかって設定好きでしょ」
「好きじゃのぅ」
まぁ、いいや。
「次は私が行くよ!」
『お父様』
『やだなぁ、セルバンテス様って呼んでよ!』
『せ、セルバンテス様?』
『そうそう。じゃあ、行こうか!』
『えっ』
『えっじゃないよ、デートしよう!』
余りにハイテンで強引な男に戸惑うイワン。
しかし幻惑は元々話術に長けている。
『だって、君はいつか私より好きな人が出来るんだよ?それまでいっぱい甘やかして、甘えさせて欲しいんだ』
少し寂しげに微笑んで首を傾げると、優しいイワンはそっと手を取って微笑んでくれた。
『初めてのデートがお父様で、嬉しいです』
「っづぁぁ!今の聞いた?!超可愛いよね!」
「煩い。早く進めんか!」
画面に目を戻し、いざ!
『ああ、ちょっと気分が悪くて・・・・』
ホテルに入ってしまった。
もうこの後が予想出来て嫌だ。
『お、お父様・・・・?』
『大丈夫大丈夫、子供の頃お通じ悪い時やってあげたでしょ?』
いや、子供時代7日間で便秘イベントなんてなかったし。
妄想だ。
第一何故そんなに浣腸が好きなのか。
現実では基本的にやらない・・・・というか嫌われるのを危惧してやらないが、仮想現実なら遠慮に何の意味がある。
何で具合が悪かったのがこんなに元気が良いのか突っ込む間もなく、バックルをがちゃがちゃやっている自称父親(38)。
嫌がるイワンを押さえつけ、最高にイイ笑顔。
『すっごく気持ちいヤツで、刺激の少ない私自らの浣腸液(白濁色)だから、怖くないよ』
『えっ、えっ?』
訳が分かっていないイワンの尻を上げさせ、スラックスを毟り取り。
画面いっぱいの白い尻に、十傑は釘付けだ。
もう拝みたいくらい良い絵面だ!
『ささ、力を抜いてねー?』
『や、い、嫌です!』
『言う事聞かない悪い子は』
パシッ!
『あっ!』
尻叩きなんて可愛いものではない。
出力をやや下げたスタンガンだ。
イワンは痙攣しているし、尻は爪が当たった所が電流で微妙に微火傷になっている。
『お父様・・・・!』
怯えるイワンににっこり笑って、首を傾げる。
『ほら、して欲しいでしょ?』
『・・・・は、ぃ・・・・』
幻惑の狂気を察知した賢い子は、怯えながら頷いた。
『じゃあ、お尻上げて』
『はい・・・・』
おずおず上げられた尻。
尻たぶが割れてピンクの可愛い蕾が覗く。
『力を抜いているんだよ・・・・』
『は・・・・ぁ、ぁ、あ・・・・』
流れ込むのはアイテム枠を3つ占領する『トマトジュース』。
いつの間にやら普通の・・・・かは疑問だが硝子浣腸(400ミリ容量)に持ち替えている。
因みにベルトは緩んでモロ出し状態のものは興奮気味でやや立っている。
涙が出そうな光景だ。
『待って、くだ、さ、ぃ・・・・も、おなか、痛』
『ん?じゃあ出していいよ?』
ちゅくっと引き抜かれて尻がぶるぶる震える。
コントローラーを握る幻惑はとてつもなく嬉しそうだ。
「何故そこまで浣腸を求める」
「えっ?別に排泄物が見たいだけじゃないよ」
「見たい訳じゃない、じゃなく、見たいだけじゃない、か・・・・」
げんなりする答えだ。
元気なのは幻惑だけだ。
「だって冷や汗掻いて我慢してるの可愛いでしょ?入口がひくひくしてるのもね。
出す時の恥ずかしがりっぷりとか、絶望の目も良いし。えぐえぐ泣くのもさぁ、良いよねぇ」
まぁ目覚めたのは最近なんだけど。
「怒鬼は兎も角、アルベルトがイワン君の匂い嗅ぎまくって泣かせたのを聞いてね。何か他にも良いプレイがあるんじゃないかと」
「つまりイワン限定浣腸マニアか」
「そうそう。女の子は折角綺麗なんだから醜い部分わざわざ見なくても。イワン君はどんな姿も見たいんだよ」
愛だよね!と嬉しそうな幻惑だが、画面内では3回目にしてぬるま湯浣腸中。
排泄物が出ないのに不服らしいがぶっちゃけ放っておきたい。
泣き叫ぶイワンの腹の中をこれでもかと可愛がり、幻惑はとうとう漲る男根を押し付けた。
それも入り口に強く押し当て、疼く程度の痛みだけで、挿入はせず。
手で扱く。
『ひっ・・・・!』
『っふ・・・・熱くて気持ちいいでしょ・・・・?』
中に注入される精液。
挿入も注挿も無くただ注がれる。
『嫌、ぁ・・・・』
『そんな事言ったって駄目だよ。ほら、私を呼んで?』
『セル、バ』
『今はお父様、ね』
情事中にわざわざ父とよばせる非道さ、そして変態加減。
イワンが泣きながら「お父様」と繰り返す。
そして、そのまま軟禁状態で4日間。
5日目の夜、セルバンテスは。
隣室へのドアを開けた瞬間刺された。
最後に聞いたのは『お父様』と言う甘い声。
そして、侮蔑の眼差しだった・・・・。
「・・・・どこでミスったかなぁ?」
「最初からだろう」
容赦なく全プレイ道程を否定されても、セルバンテスは首を傾げるばかりだ。
さも不思議そうなのが痛々しい。
「では、最後に私が」
ふふっと笑う孔明はとても自信に満ちていた。
「まああれですな、楽しめましたよ。馬鹿と何とかは使い様と言う奴ですねぇ」
「伏せる気がないな」
「普通何とかとハサミだろう」
「鋏に気を使ったのか」
「そしてあなた方に言っておきます。前から気に入らなかったのですが」
孔明の目が鋭く光る。
「入口、と言う表現は如何なものか」
「・・・・じゃあ何と言えと」
「肛も・・・・」
「だまらっしゃい!!!」
羽扇を投げつけられる幽鬼。
因みに彼が言ったわけではない。
この場に八当たり要員のイワンがいない以上苛められっこに役が回るのは必然だ。
「アレは入り口でなく・・・・出口です!」
「「し、しまった・・・・!」」
「・・・・だから何なんだ」
膝をつくレッドとセルバンテスに冷ややかな視線を向けるアルベルト。
孔明は嘆かわしそうに首を振った。
「出口に入れる、と言うイケナイ感じが良いのではありませんか・・・・エスカレーター逆走とかやったでしょう」
駄目そうな軍師だが、頭はキレる。
ここは放っておくしかあるまい。
「では、やってみましょう」
『お父様、今日はデートなのです』
『おや、そうですか。でも婚前交渉は駄目ですよ』
『わ、分かっています・・・・』
恥ずかしそうに俯いて走っていくイワン。
見送る父孔明は余裕だ。
たまに恋人とのデートに出ていくイワンを見送り、恋人に弁当作るのを眺め、味見し。
23日目でアイテム使用。
未知の病原体。
殺すのかと思ったら、それを自分に打ち込んでしまった。
そして、余命6日となり。
泣いて縋るイワンに弱々しく微笑む。
『貴方の花嫁姿を見たかったのですが・・・・』
『そんなことをおっしゃってはいけません!』
生きて欲しいと涙するイワンの頬をそっと撫でる。
『真似事で、良いのです』
無き妻に面差しの似た、貴方に。
結婚を申し込んでいいですか・・・・?
『お父様・・・・』
泣きながら頷くイワン。
画面が切り替わり、教会。
白のタキシードの孔明と、純白のウエディングドレスのイワン。
ヴェールを上げて、誓いのキスを。
『お父様・・・・』
ベストエンド、父との結婚。
エンドロール中に次々流れるのは、作中の愛らしかったりいやらしかったりする姿、計6854枚。
流れるのがかなり早いが、とてもいい写真ばかりだ。
孔明はよいしょと立ち上がり、テーブルの上に同じゲームを積み上げた。
「父との結婚をクリアすると、エンドロールの一時停止が出来るようになります」
間。
「なっ・・・・待て、そのソフト幾らだ?!」
「本体、遊びの駅3。高画質無修正、ボイスあり。本体セットで六十万です(日本円)」
「何だ、意外と安かっ・・・・」
「そして攻略本。全ストーリー情報網羅で百四十万(日本円)」
孔明の罠だ!
酷過ぎる抱き合わせ商法だ。
だが、金銭感覚がまともでない十傑はすぐさま財布を取り出した。
財布の中に札束ぶち込んでぽてちを買いに行くような奴らだから世界を破壊できるとも言える。
「君は買う必要あるの?」
「・・・・衝動買いしてしまった」
ゲーム機を買う衝撃が哀れだ。
何故リアルでいいように出来るのに仮想空間まで。
「・・・・任務中暇だしな」
「あぁ、そうだねぇ・・・・待機とか暇」
「直系は厠も風呂も済ませた万全でないと始めぬタイプだろうがな」
好き放題言う十傑。
孔明はピン札を数えつつ、事も無げに言った。
「次は、何のゲームにしましょうか」
すっかり変な遊びに目覚めた十傑と策士。
止めてくれる人は、今11人分の夕食を作っていていない。
夜までかかって遊ぶ奴らも奴らだが、その上
「イワン君の料理が良い!」
「オムライスでないと食わんからな」
「アスパラは付けるな」
等と言われて、死にもの狂いで調理している可哀想なイワン。
そして一人からはエプロンを洗わず譲って欲しいと言われている。
可哀想な彼は、仮想現実の自分が可哀想な扱いを受けている事を知らない。
現実の彼も大して変わらないから同情はしないだろうが。
「あぁ、間に合わない・・・・!」
泣きそうな声は、十傑には届かなかった。
***後書***
すいません、冗談です。