【 御主人様のお気に召すまま-110 】
「ふ・・・・ふふ、ふ・・・・・」
「今回は早かったな」
「あぁ、この程度でな」
「余程疲れていたんだろう」
会議中に突如笑い出した孔明に、皆顔を見合わせた。
話を聞かずに遊んでいたら、とうとうプチンと来たらしい。
取り敢えず、会議は中断。
全員名札を持って席を立ち、イワンの手に次々札を押しつける。
「お前は今からマスクザレッドだからな」
「ヒィッツカラルドも頼む」
「幽鬼も任せた」
全員分の名札、つまり全員分の責任を押し付けられ、イワンは泣きそうになっていた。
皆、知らないのだと思っていた。
そうでなくて、他の部屋で自分の情けない姿を鑑賞していると知った時は茫然自失したものだ。
瞳孔ガン開きで笑っている孔明に顎をしゃくられ、おずおず膝をつく。
四つに這い蹲ると、風を切る音。
「ひぎっ・・・・・!」
思わず潰れた悲鳴が漏れた。
策士とはいえ男に力一杯、尻といえど平手打ちされれば当然相当痛い。
歯を噛みしめ、洟をすすって痛みに耐える。
だが、今日の孔明はそれでおさまるようではなかった。
怒りはMAX、もう止まらない。
普段我慢していることをこれでもかとぶつけ始める。
かん、と音がしてそっと振り返れば、お好み焼きの小手を弄んでいる。
振り上げられるのがコマ送りに見えた。
「っあ!!」
パァン!と激しい破裂音がして、薄い金属が叩きつけられた。
一瞬遅れて襲う激しい痛みは、痺れと熱さが半端ではない。
へたり込みそうになるのを何とか堪えるが、腰ががくがくして抜けそうだった。
「なぁにをへたれているのですか・・・・・情けのないっ!」
「ひぅっ!」
次々振り下ろされる小手。
鋭い痛みに涙が落ちる。
泣けばもっと仕置きされるとわかっているのに、あまりの痛みに勝手に出てくる。
「も、申し訳ありま・・・・ぅあ!」
ぎゅううっと尻を掴まれ、腫れ上がったそこに走る激痛。
堪らず尻を振り身を捩ると、もう一発お見舞いされた。
とうとう腰が抜けてしまうと、椅子に腹を乗せられ強制的な四つん這い。
手足が不格好に伸びかけた変な体勢で、震える唇を噛みしめて孔明を見上げる。
しゃくりを我慢して喉が苦しかったが、今回は誰も叱れない。
十傑が遊んで書類を遅らせ、孔明が疲れ果て、今日の任務説明は策士寝不足で意味が不明。
強いて言うなら、遊び呆けていた十傑を叱るべきだ。
だが十傑が遊んでいる最中、自分は任務中で諌められなかった。
ならば今になって誰かを怒っても仕方がない。
「孔明様、どうか、冷静に・・・・・」
「えーぇ・・・・とても冷静ですが・・・・・?」
給湯設備に近づき、薬缶を投げ捨て。
手に取ったのは、フライパン。
さぁっと血の気を引かせたイワンにとても紳士的に、しかし空恐ろしい微笑みを向け、孔明はひたひたと戻ってきた。
がちがちと歯が鳴っているイワンの首を押さえつけ、思い切りフライパンで尻を打ちすえた。
「っが・・・・・!!」
「ふふ、何とも好い感触ですなぁ・・・・・」
孔明はスパンキング狂の気がある。
女やイワンの尻を叩きまくるのに快感を覚える変態だ。
女性には手で、そこまで酷くはしないらしいが、イワンには欲望が抑えられないらしい。
十傑にやられたらショック死する激痛だろうが、いくらか非力な策士の過激なスパンキングには粗相ぐらいで済む。
息荒げてフライパンを振りかざす上司は相当怖いものを感じるが、イワンもそろそろ限界だ。
あまりの激痛に、失禁しそうだった。
我慢するが、変に力が入り、緩めれば益々尿意が高まり、どうにもならない。
我慢のし過ぎで腰が痙攣を始め、身体がどんどん冷えていく。
尿意を訴えても、笑って叩かれるだけだろう。
前に一度、ほんの僅かに漏らしてしまった時にさえ、嗅ぎつけられてもっと仕置きされた。
がたがた震えながら我慢していると、フライパンが放り出される。
孔明の手が持ったものに、肝が冷えた。
「あ・・・・あ・・・・・」
「次はこれにしましょうか」
どこから取り出したのか、こんにゃく。
前回のハエタタキより絶対に音がする弾力。
嫌だと首を振って懇願するが、鼻で笑われた。
スラックスが引き下ろされ、真っ赤に腫れ上がった尻が晒される。
ぱちゃん!ぱちょっ!ぺちょっ!!
あんまり恥ずかしい音に、本気で泣いてしまう。
尋常でない羞恥に、身が竦んで益々尿意が高まった。
「あ、あ、だ、だめ・・・・・」
「根性のない・・・・・おや、そちらの我慢に泣いているのですか」
「ひっ・・・・・」
尿意を感づかれて、身体が震える。
にたぁ、と笑った策士に恐怖以外感じない。
「それはそれは・・・・・今日は酷くしておりますから、存分にお漏らしになって構いませんぞ?」
「ひ、ぃ・・・・・!」
こんにゃくで濡れている指が、後孔を犯してくる。
膀胱の裏を容赦なくぐりぐりされて、掠れた悲鳴が漏れていく。
「ひぃ、ふ、く・・・・・!」
「ほらほら、我慢は体によくありませんぞ」
「ん、んく、ふ・・・・・・ひぃぅっ!!」
「ふっふふふふ、良い反応ですなぁ・・・・」
ぐちゅぐちゅと掻き回されて、尿意なのか射精感なのか分からないものが押し寄せてくる。
はっはっと呼吸がせわしない。
だが、尿意は我慢で一旦引いた後、一気に増幅して押し寄せてくるものだ。
口端から涎を垂らしてまで堪えているのに、腫れ上がった尻を撫でまわし指で激しく突いてくる。
訳がわからなくなってきて、解放への誘惑が耳に纏わりついて。
極限の我慢の末、とうとうこの折り目正しいひとは、陥落した。
酷く気持ちよさそうに呼吸を速めながら、湯気の立つ小水を漏らしていく。
完全におちた思考はなにも判別できないまま、ただただ放出の快楽に悦ぶ。
匂いの薄いそれをじっくり眺め、指を引き抜き舐めあげる。
濡れそぼった絨毯ににぃと笑い、孔明は痙攣しているイワンを抱き上げた。
机の上に乗せて、身を清めていく。
すっかり腫れ上がった尻を悪い意味で気遣って、着せたのはワイシャツだけ。
それをうつ伏せで、できるだけ楽なように寝かせ、軟膏を尻に塗りこめていく。
隣室で暇な十傑が見ていることは知っているから、時間をかけて撫でまわした。
ついでに可愛い蕾にもたっぷり塗りつけて、今日のヒステリーは終了。
あぁ、何とも興奮するいい時間だった。
勃起しているのが収まるまで30分はかかる。
それ自体は特に気にせず、隣室に電話を掛けて全員に集合をかけ、会議再開。
十傑の真剣な会議のど真ん中、机の上に半裸で横たわる自身に、もう一度イワンが気絶するまであと40分。
「次はそろばんにしましょうかね」
***後書***
ヒス起こした女性は大抵叫んで平手打つ。じゃあ、ヒス属性の孔明はスパンキング狂でいいじゃん。そういう発想。