【 御主人様のお気に召すまま-148 】
「あれ、どうしたの、皆して」
「あっ、セルバンテスさん」
「久しぶりー」
花街の入口に屯する娘たちは、行きつけの娼館のメンバーだ。
よく指名する子も混じっている。
まぁ、一応全員と遊んではいるのだけれど。
「何かあったの?」
「会議」
「会議?」
覗き込めば、皆口の中をのぞきあいこ。
ちょっと間抜けだが、顔が可愛いから雛鳥ごっこにも見える。
「イワンさんの喉みたいに大きく開かないのよねぇ」
「ああ・・・・まぁ、君たちは女の子だしねぇ」
「そうだけど、もっと技術的に何かカバーできないかなって」
「うーん・・・・」
ちょっと考え、セルバンテスはにっこり笑った。
「じゃあ、とっておきの映像を大公開しちゃおうか。全員揚げちゃうよ」
セルバンテスが複数の女性を揚げた時は、酒を飲んでお触り程度だ。
その紳士っぷりがまた人気だが、セルバンテスが気に入っているここの娘らはまぁ・・・・・。
よく食べる。
セルバンテスの奢りという事で、自分の店の厨房に文句と注文をつけまくって食べまくる。
嫌味がない明るい子らだから、何だか微笑ましい。
「イワン君の料理は凄く美味しいんだよ」
「えっ、あの人料理もするの?」
「勿論。料理も家事もこなすし、美術の知識あり、楽器は大抵扱えるし、バーテンも出来るよ」
「はー・・・・何か腹立つー・・・・」
ケタケタ笑いながら、腹が立つとカクテル一気飲み。
セルバンテスが苦笑する。
「まぁ、彼は自分の素晴らしさを少しも分かっちゃいないんだけれどね」
「自信が無いって事?」
「いや・・・・彼は君たちを羨ましく思っているんだよ」
「?」
きょとんとする娘たちに、セルバンテスは寂しく笑った。
「柔らかな胸、美しい髪、子をなせる胎・・・・彼は主人を思うあまり、それを持たない自分自身を責めているんだ」
「・・・・・なによそれ、旦那もそんなどうしようもない事・・・・・」
「アルベルトが言うんじゃないんだ、でもね・・・・彼は・・・・」
セルバンテスの言葉に、少し年嵩の女性が窓際で微笑した。
「分からんでも、ないねぇ・・・・・」
豆煙管を唇にあて、軽い溜息を。
「まぁ、そんなもんさ。旦那がノンケなら、引け目もあろうし・・・・言っちゃ悪いが、あの人は綺麗じゃあ、ない」
「うん」
「でも、あんなに直向きに捧げると、見ているこっちが委縮するくらい綺麗でねぇ・・・・・」
紫煙を吐き、女が笑う。
「面の皮なんて、一枚薄っぺらなのがあるだけさ。あの人を輝かせるのは魂だよ」
それに。
「身体の具合も、良さそうだしねぇ・・・・・」
厭らしく笑って見せる女に、セルバンテスが苦笑する。
「実際かなり良いらしいね。胸肉もたっぷりで、パイズリするとアルベルトすごく喜ぶし」
「・・・・・出来るの?!」
「うん?見るかい?」
とり出だしたる無地ディスク。
タイトルは『イワン君のパイズリとエロフェラ04!』
大きな部屋を取ったから、一応色々なものがある。
乱交対応のスクリーンと、ノートPC。
部屋に備え付けのそれにプロテクトをかけたディスクを入れ、笑う。
「実技試験もしてあげるからね」
アルベルトの前に膝をつき、見上げるイワン。
頬を染めて恥ずかしそうにしながら、ワイシャツ一枚で御奉仕を。
こくっと唾を呑んで、手を伸ばす。
スラックスの上からなでなでと可愛がりながら、出しても良いかと可愛いお伺い。
アルベルトが許しを与えると、そっと手を伸ばしてチャックを開ける。
少し大きくなっているものを挟まないように降ろし、両手で包んで頬ずり。
ぴくりと反応すると、やや項垂れた先に鼻先を擦りつけ、目を潤ませる。
「良い匂い・・・・」
無意識らしいが、芯を持った男根からはかなり生臭い先走りと粘膜の匂いがする。
良い匂いなのは、彼の心が感じ、身体が期待しているからだろう。
鼻を鳴らしては匂いを嗅いで、幸せそうな溜息。
男が唾を呑む音が響く。
「咥えるな。指も使うな」
「はい・・・・・・」
恥ずかしそうにしながら、ワイシャツを脱ぎ落とす。
白い肌は薄桃に染まり、何とも愛らしくいやらしい。
彼はやや芯を持った男根を上向きにして胸に沿わせ、そのたっぷりとした胸肉で男根を擦り始めた。
女と違って乳房が無いから、膨らみを乗せたり、そのまま擦ることは出来ない。
膝と腰を使って身体を動かし、胸板で擦りあげる。
何だか妙だが、酷く厭らしい事に見えた。
加減はすっかり主の好みを弁えているらしく、先走りがみるみる溢れて白い肌がてらりと光る。
にちゃにちゃと粘着質な音を立ててのパイズリ。
乳房での愛撫と違い、それはやや手で扱く感覚に似ている。
かなり快楽が高まったところで、イワンは手を放して主を見上げた。
「あの・・・・・・」
「何だ」
意地悪な男に、イワンは耳まで赤くした。
「お、おち、ん、ちん・・・・・口に入れさせてください・・・・・」
「・・・・・まぁ、良かろう」
何がまあ良かろう、だ。
突っ込んでこりこりの咽頭を突き上げたいくらいに興奮しているくせに。
あくまでも帝王気質の盟友を肴に酒を飲む。
娘たちは画面に釘付けだし、メモを取っている者もいる。
控えめに申し出た割にかなり勢い良くしゃぶりついたイワンに、軽い溜飲の音がした。
「んっ、んっ、んぶっ、むぐ」
「落ち着かんか」
「あっ・・・・」
引き剥がされて、物欲しそうに見つめる目。
口の端から先走りと唾液の混合液を垂らして、食い入るように見つめている。
「そうがっつくな。美味いものでもなかろうが」
「汁・・・・美味しい・・・・・」
「っ・・・・・」
油断していた男に痛恨のボディブロー。
口をもぐもぐさせて残った蜜を味わう姿は半端ないいやらしさだ。
手を離すと、自然な動きでしゃぶり始める。
「ん、ん・・・・・ん、ぷは、んぐ・・・・」
「は・・・・・っ」
ぢゅるぢゅると音を立てて汁を吸いこみ、時折引き出して唾を呑む。
唇と糸を引く先走りがいやらしい。
ずる、と喉の奥まで引き込んで愛撫し始めると、アルベルトが目を細める。
が、この男の好みはこちらではない。
イワンの頭を支え、イマラチオを始める。
ごぶ、ごぶっ、と変な音がしているが、イワンはさほど苦しそうではない。
それどころか、鼻から唾液を逆流させながら、気持ち良さそうにしている。
「ぐっ、ぅぐっ・・・・・ぐっ・・・・」
「ああ、悪くはないな・・・・」
こんな激しいイマラチオを敢行して悪くないとは聞いてあきれる。
普通だったら気絶している激しさだ。
奥に突っ込んで出そうとすると、イワンが初めて抵抗した。
思わず退きかけ、歯がかりに掛って出てしまう。
舌の上に広がったものを、イワンがゆっくり掌に吐きだす。
口に粘りつく分を飲み下し、掌のものを見つめて頬を緩める。
「あったかい・・・・・」
ボディブロー2発目。
画面の端でぴくりと動いたバットは気にしないでおきたい。
イワンは白い粘液に鼻先を近づけた。
「良い匂い・・・・・」
ボディブロー3発目。
唾を呑んで引き寄せようとするが、イワンの方が早かった。
「ん・・・・・・」
ピンクの舌がちらちらしながら、白濁を掬い取る。
味わうように口をもごもごさせ、飲み下すと恍惚の溜息。
ボディブロー4発目。
イワンがアルベルトを見上げる。
「美味しい・・・・・」
「・・・・・セルバンテスさん、あの人人間じゃないでしょ」
「いや?正真正銘人間だよ?ちゃんと心臓が一個で肺が二つ」
「でも絶対、人間じゃない。あの人は淫魔だわ!」
「あはは・・・・そう思うよねぇ」
笑って酒を飲むセルバンテスに、大会議が始まる。
「ちびぱいでもパイズリ出来るんじゃんっ!目からウロコ!」
「匂い嗅ぐのは良い手だよねぇ・・・・まぁ、かなり頑張る必要ありだけどさ」
「舐めたい、っていうのはオーソドックスだけど、どもり方はチェックだなー」
「イマラ凄いよ!普通失神するって、ヤバい音してたもんっ!」
「ディープスロートからイマラに自然な移行とか、ないない!大抵どっちかしか出来ないよ」
「あんたどっちだっけ?」
「ディープ。柔らかめのじゃないと無理」
「大きくて柔らかいのはディープ向き、硬くて小さいのがイマラ向きだっけ?」
「何で覚えてないのよ」
「私乳ズリ要員だし」
「んー、でも、やっぱりイワンさんは凄いよ!可愛いし、純情だし、超エッチだし!」
「うんうん、遊んでくれないかなぁ」
「無理でしょー・・・・・あのタイプは」
会話に入る隙もないから苦笑して眺めていたが、やや下火になったのでからかってみる。
「誰か実践してみるかい?」
私が採点してあげるよ、と笑うと、皆一瞬考え、一斉に首を振った。
「ううん、無理。セルバンテスさんの変な形だから舐めにくいし」
「ねー」
ちょっと自分の腰を見下ろし、考える。
自慢の逸物だが、一瞬だけ。
そんなに変なのかな、と思った。
***後書***
イワンさんがおてぃんてぃんをちゅばちゅばするのが大好きだと超燃えます!