【 御主人様のお気に召すまま-164 】
「これをやろう」
主から反射で受け取ったものに、イワンは目を瞬かせた。
「・・・・・・・・あの・・・・」
「何だ」
いや、これでどうしろと?
寧ろこれをどうしろと?
イワンの手の中には、白のソックス。
それもニーソ。
女子高生の格好でもさせるならまだ分かる、やりたくないが靴下の意味は理解できる。
だが、これ単体を渡されても。
そう思ったイワンは、甘かった。
「脱げ」
「?」
「全裸ニーソだ」
絶句するしかない。
まさか主の口から全裸ニーソなんて出てくる筈がない。
何があったのか恐る恐る尋ねると、主は盟友との話を事細かに話してくれた。
『全裸ニーソのイワン君に御奉仕してもらうのが夢なんだ!』
そんな迷惑な夢は黙っていてくれればいいのに、わざわざ言ってしまったから主がその気になった。
盟友の夢云々は兎も角、それは一度やっておかねばなるまい。
何故そう思ってしまうのかは分からないが、帝王は兎角全裸ニーソを御所望らしい。
どうか正気になってください、私のそんな姿は気持ちが悪いだけです。
切々と訴えたが、主は全く動じない。
それどころかじっと見つめる先はスーツに包まれた伸びやかな脚であり、すっかり穿かせる気満々。
これは抵抗しても駄目だ、そして抵抗してニーソが破けたら、怒られるかは別として。
主が完全に犯罪者の図になってしまう。
見るだけにお願いしますと懇願し、泣く泣く服を脱ぎ落とす。
白い肌と犯罪級の腰に、アルベルトは機嫌が良い。
イワンは向こうを向いているが、ニーソを穿く時に器用なバランスの片足立ちになって、益々良い尻が強調される。
こちらから見える袋と雄をしみじみ眺めていると、イワンが振り返る。
「・・・・・・あの、着替えにくいのですが・・・・」
「気にするな、後ろから僅かに覗く袋を噛みしめているだけだ」
「ふくろ?」
きょとんとしたイワンは、自分の身体を見った瞬間顔を真っ赤にした。
主を見つめて必死に首を振るが、アルベルトは我関せずだ。
半べそで着替えて、前を隠しながら主に向き直る。
「・・・・・き、着替えました・・・・・・」
「手をどけろ」
「えっ」
「邪魔だ」
前を隠している手を退けろなんて、何処まで鬼なのか。
嫌だと訴えるが、主は片眉を上げただけだった。
「刃向かうのか?」
そんな格好良い悪い笑みで言われたら、従ってしまう。
身体まで薄く染め、イワンは手をそっと退けた。
だが、両側に垂らすのは心許無い。
それでおずおず少し上げたものだから、アルベルトは咥えてもいない葉巻を落としそうになった。
な、何だその可愛い格好は!
萌え少女系の、服があってもなくても男が興奮する可愛い仕草。
ごくっと唾を飲んで、顎をしゃくる。
「胸を隠せ」
「・・・・・?」
両手のひらで片方ずつ隠した姿がますます厭らしい。
交差もさせないその純っぽさが堪らなく良い!
「・・・・・・・膝に手を当てて前に屈め」
「?」
一昔前のお色気芸人のような格好だが、アルベルトは非常に楽しんでいた。
うん、これは良い。
「・・・・・・・体育座り」
「?」
黙って従いながら不思議で堪らないイワンだが、その無垢っぽさが更に良い。
足を揃える事を思いつかない彼は、膝は揃っているのに足先が少し開いている。
そこから見えるのは、はみ出てむっちり感がアップした袋と雄。
ニーソとの対比が素晴らしく、これは興奮すると感心した。
スラックスにテントを張っている主に気付き、イワンはぎょっとしながら赤面した。
自分のこんな姿で勃起するなんて、恥ずかし過ぎる。
身体を隠そうと身を縮めると、主は男根を取りだした。
奉仕を命じられるのだろうと思ったら、自分を熱っぽい視線で見つめて。
自慰を始めてしまった。
余りの驚きに口から心臓が出そうになる。
何故、そんな、どうして。
肉の孔に入れたり口で奉仕すれば、確かに達すると思う。
しかし、これではまるで自分の姿に興奮しているようだ。
一体何に興奮を得ているのか分からないし、酷く恥かしくて涙が出る。
脚をもぞもぞさせているイワンに、アルベルトはにたりと笑った。
「くく・・・・・どんな女の裸体より興奮するな」
「え・・・・・・ぁ、ぇ・・・・・」
「どうした、身体を隠すなら少しは言葉で煽らんか」
言われても、何を言えば良いのか分からない。
女性ならはしたない言葉や局部を見せつけて舌舐めずりでもすればいいのだろうが、そんな事が出来る筈がない。
「・・・・・・恥ずかしい姿を見てください・・・・・」
「っ・・・・・・」
「イワンの身体を見て、抜いてください・・・・・」
考えた末に、乏しいAVの知識を引っ張ってきて、なるべく品が悪い言い方で。
しかしそれはイケナサがたっぷりで、今のアルベルトが求めているドストライクだった。
ごくりと唾を飲み、イワンに見せつけるように男根を扱く。
息荒げて自分を見つめながら自慰をする姿に、イワンの方も何だかイケナイ気分になっていた。
恥ずかしげに耳まで赤らめて、膝に顔を埋めている従者。
その足元を見れば、半勃ちになっている雄。
きっと気付いてさえいないだろう、そして思ってもみない。
震えながら恥ずかしがる従者の姿で一発抜いて、アルベルトは手も拭わずに従者をベッドまで引っ張って行った。
うつ伏せにされて逃げ惑う姿を見つめ、脚が動く度にちらちらする尻の狭間に目を凝らす。
白い肌に対して色の濃い部分が、微妙に動いている。
ぐいと開かせれば、厭らしい窄みが息づいていた。
「ふん、もの欲しげにしおって」
「えっ・・・・・んぁっ」
ぐいと親指で押され、腰が痺れる。
太い親指は入る事なく入口をぐいぐい揉み解し、イワンの腰がびくんと跳ねた。
「ゃ・・・・・・」
「こちらが良いか」
「あ、あっ」
柔く擦られ、白い尻が引きつって震えている。
乾いた指が、僅かに湿り気を帯びた秘められた場所を執拗に擦りあげる。
皺を伸ばすように丁寧に擦られて、腰が強請るように上がってしまう。
「あぁっ・・・・・だめ・・・・・」
「誰に口を聞いている」
「ひあっ!」
ぱしっと尻を叩かれ、背中が反る。
快感と突然の叱責に涙を浮かべ、イワンが唾を飲む。
「ごめんなさい・・・・・おゆるし、ください・・・・・」
「許せと言うなら、もっと脚を開け」
顔を歪めて赤面しながら、イワンが脚を立て直して少し開いた。
自分の膝の裏を掴んで身体を三角に支え、腰が落ちないようにする。
「お許しください・・・・・・」
「罰を与えてからだ」
「ひぅっ」
尻を掴まれ、強い握力で揉みこまれる。
変形する肉は厭らしさが増し、赤く付いた手形が欲をそそる。
「そんなに良いか。孔がヒクついているぞ」
「あ、あ、ごめ、なさ」
口から飲めない唾液を零して謝り続けるイワンににぃっと笑い、命じる。
「締めてみろ。どれだけ鍛えられたか見てやる」
「そ、そん、な・・・・・」
出来ないと首を振るイワンの尻を片手で押し開き、人差し指でつっついてみる。
「あっ」
くすぐったい刺激に腰を捩ろうとすると、掴まれた。
アルベルトの目はイワンの後孔に釘付けだ。
きゅぅぅ、と窄まった孔は小さく締まり、少し膨らむ。
そしてひくひくと蠢き、もう一度小さく窄まる。
初めてこんなにじっくりと見たが、想像を絶する厭らしさだ。
勿論相手がイワンと言うのもあるだろうが、それゆえ酷く興奮する。
唾を飲み下して、そろりと舌をつけた。
びくっと硬直した身体を押さえつけ、ぢゅるりとしゃぶりつく。
「いやっ、いやだっ」
「嫌嫌と馬鹿のひとつ覚えか。嫌と言うならこれは何だ」
「ひんっ」
前に回っていた手に強く雄を掴まれ、腰が揺れる。
もう銀糸が張り付いてしまうほどに先走っていて、すっかり硬くなっている。
「ゆ、ゆるしてっ、触らないでくださいっ」
「嘘をつくな」
「ひぁぅ・・・・・!」
吸引されて、腰が跳ねあがる。
痛みに混じった確かな快感に、膝を掴んだ手が滑る。
「あ、あっ、く・・・・」
「貴様はこれが好きだったな」
「ひぐっ」
思い切り尻を押し広げられ、厚い舌で上下に激しく舐められる。
悶絶しながら達しても攻め手は緩まず、射精直後の身体を執拗に攻められて、直接触られぬままに潮まで噴いてしまった。
歯の根が合わずに腰や膝をがくがくさせている従者に気を良くし、指で解し始める。
女が白目を剥くのも嫌いではないし、俗に言うアへ顔も楽しめるアルベルト。
しかしイワンのそういう顔は見た事がない。
イワンは少数派の、そういった顔が恍惚の微笑みと判別がつきにくい方らしい。
口の端に僅かに泡を噴いていたりするから判別出来るが、正直引くくらいの顔も見たかった。
しかし、この男はそこまでしたら多分死ぬ。
仕方がないと諦め、柔らかくなったそこに押し当てる。
イワンはとろっとした目で、震えながら僅かに微笑んでいた。
何とも良い顔だ、興奮する。
一人頷いてぐぐっと差し入れると、半分意識の飛んでいる身体はすんなりと受け入れた。
しかし、圧迫感に気付いた瞬間正気に返って泣きだしてしまう。
激しい締まりに抵抗するように強く注挿すると、唐突に抵抗がやんだ。
厭らしい締まりはそのままに、吐息以外の声が無くなる。
顔を覗き込むと、半眼の瞼が震えている。
唇からは唾液がとろりと落ち、相当な厭らしさだ。
ぐっと押し込んでやると、身体は動かないが良い具合に締めてくる。
「はぁ・・・・ふ・・・・はふ、ぁ・・・・・」
「くく・・・・・中々の色気だな」
「ぁ、ふ・・・・・・ぁぁ、はぁ・・・・・」
ずずっと奥に填め込んで、思い切り中に出した。
激しく締まる孔で絞るように抜き取ると、直ぐには閉まらない孔からどろりと精子が零れ落ちる。
締まればもう垂らさない孔は、精子まみれの上激しく収縮している。
まだ意識のはっきりしないイワンのニーソに包まれた脚を撫でながら、アルベルトはくつりと笑った。
「白目を剥くまで可愛がってやろう」
「で、君の負け?」
「・・・・・・・・何故だ」
驚異の10発を敢行した衝撃のアルベルトは、矢張り常人ではない。
しかし、皮膚が特別丈夫でもないので、擦り切れている。
10発済んでもイワンは白目を剥かず、半笑いにすらならなかった。
ただ厭らしい蕩けた微笑みを浮かべるだけで、悔しいが興奮した。
大事なところが擦りきれて動けない盟友を、セルバンテスが可笑しそうに見やる。
「それで?朝から抱いたイワン君に服を着せてもらったの?格好悪いねぇ」
「・・・・・・・・・・・・煩い」
続いた言葉に、セルバンテスは危うくグラスを取り落としそうになった。
「起きたら、既に朝食を作っていた・・・・・」
「・・・・・鋼鉄のお尻だね」
「腰が立たんまでやる場合、こっちの腰も立たん気がする」
「・・・・・・・・・だろうねぇ」
溜息をついて昼間からたそがれる盟友に、セルバンテスが微笑む。
「手伝おうか?」
「断る」
即答のノーセンキューに、セルバンテスは唇を尖らせた。
「良いじゃないか、減るものじゃなし」
「何かは分からんが、確かに何かが減る」
「ちぇ」
***後書***
アニメを見ていたら全裸ニーソしたくなってしまった。反省はしているが後悔はしていない(受け売り)