【 御主人様のお気に召すまま-061 】
前回(第43話)で色んな意味で意表を突いたSMを敢行した衝撃のアルベルト(38)は、正しく不健全な知識を手に入れて早速従者を捕まえた。
うとうとしているところを不法侵入され押さえ付けられ・・・・状況だけ聞くと犯罪の香りしかしないが一応恋人同士だ。
まあ元々犯罪者なのだから今更罪状が一つ増えたところでそう変わらないのだが。
「あ、アルベルト様?」
真面目腐った顔で色々とヤバいものを並べ始めた主にイワンの顔が引きつる。
ピンクのローター、深紅の蝋燭、真黒な鞭・・・・・不安だ。
やんわり思い止まるよう願い出たい。
刺激しないように、そぅっと。
「明後日から任務に就かれるのですから、今日はもうお休みに・・・・・」
「いや、いい」
良いのは貴方様の都合だけなのですがと言いたいが、面と向かって言える訳が無い。
主従云々と言うより惚れた弱みと言うか・・・・・。
「ぅ・・・・お手柔らかにお願いします・・・・」
早々に諦めてひたすら普通に近い行為である事を祈る。
アルベルトは道具を確認して従者のパジャマに手を掛けた。
気付いて脱ごうとするのを押し留め、手際良く脱がせていく。
裸に剥いてベッドに転がすと、真白いシーツに白い肌が浮く。
矢張り色素を含んでいるから純白ではないのだなぁと思う。
だが、この僅かな色が混じると一気に艶めかしくなるのだ。
無機質な白とは違う。
そろそろと閉じる脚に気付いて顔を見やる。
口数少ない主の言いたい事を聡く汲み取る従者は、非常にばつの悪そうな顔をして俯き、怖ず怖ずと脚を開いた。
晒される内腿や雄。
同じ男の性器など興味を持つ日が来るとは夢にも思っていなかった。
銀の毛並みは割と濃いめで、袋は余り垂れずに張りがある。
雄自体は余り使い込んだ形跡は無い。
「・・・・・っ」
つぅ、と幹の側面をなぞると、ぴくっと動く。
ゆっくり握り込むと、少し芯を持った。
息を詰めるのに気付いて顔を見ると、頬を紅潮させてシーツに半顔を埋めていた。
袋を揉みながら扱いてやると、みるみる立ち上がって蜜を滲ませた。
「っ、ふ、っ」
ふるふると震える身体を俯せにして膝を立てさせる。
反射的に手をついて身体を支えるのを確認し、鞭を手に取った。
本気でやったら骨が見えるくらいに裂けるので、座ったまま、軽く。
ビシィッ!
「っひぁ!」
当たったところがみるみるうちに蚓腫れを起こして腫れ上がる。
力加減を色々変えつつやってみるが、どうも上手くいかない。
いやに静かな従者に気づいて顔を覗き込む。
余りの痛みに顎が強張って口端を唾液が伝っていた。
悲鳴すら上げられぬ程の激痛らしい。
少し不味かったかと鞭を放り出し、縄を手に取る。
びんっと張りを確かめ、従者を引っ繰り返した。
ここでやめることはおろか大丈夫かとも聞かないところが帝王である。
内心焦っても表には出さない。
脚を上げさせて、前転の後半のような格好にし、足首を別々にベッドヘッドに拘束。
あられもない姿にしてしまう。
痛みに震えるイワンは抵抗すら出来ないでいた。
腫れ上がった尻を押し開き、真上を向いている後孔を揉む。
「ぃあ、あ、っあ」
漸く戻ってきた従者のかすれた喘ぎを聞きながら、指を舐めて唾液を絡め挿れた。
「ひんんっ」
いつもと違う角度での挿入に、腰が揺れ動く。
尾てい骨に親指を掛けて人差し指と中指を激しく抜き差しすると、腰が激しく震えた。
「あぁは、っあ、あ!」
我慢できない様子で唇を噛み締めながら激しく喘ぐイワン。
アルベルトの喉が鳴る。
「ぁぁっ」
ぢゅっ、と勢い良く抜き取られて、入り口にピリッと痛みが走る。
堪え難い喪失感に痙攣する腰。
「は、はぁ、は・・・・っあぁんっ!」
目の前に閃光が走る程の衝撃。
顔に掛かる自身の白濁。
それに構っていられないキツい快感。
コードを摘んだ主の指。
ぶら下がっているローターは既に振動して後孔を激しく刺激していた。
「ぁっ、あっ、あっ」
ひくひくする孔に触れるローターは押しつけられていない分擽ったく、弄られた後のそこには過ぎた快感だった。
止まりそうな呼吸を必死に繰り返し、腰を捩る。
だがそうすると依然痛む腫れ上がった尻たぶにローターが当たり、どちらにせよ苦しい。
思わず手を伸ばすと、見計らったように押し込まれた。
「んんっ」
細かい振動が腹の中に響く。
腰を捩ろうが悶えようが中に入ってしまっているからもうどうにもならない。
スイッチを切られた時は物足りなさより先に安堵を覚えた。
「は・・・・は・・・・っ」
細いコードが出た孔を眺め、アルベルトは蝋燭を手に取った。
押し当てると、泣きそうな顔の従者と目が合う。
だが心を鬼にして差し入れる。
柔らかくはなっていても元々狭いそこは抵抗を示した。
とはいえ親指程度しか太さはないから少し力を込めれば入らないことはない。
「ひっ、あ、あっ」
数回抜き差ししてしっかり突き立てる。
腰を震わせながら目を閉じた従者を眺めながら、蝋燭に火を点ける。
ぐったりしている従者はいつ火が灯されている事に気付くのかと見ているが、一向に目は開かない。
その内蝋が溶けだしてくる。
始めは蝋燭自体に付いているうちに固まっていたが、温まってきた蝋燭からつぅーっと熱い雫が伝い落ちた。
「っああああぁっ!!!」
引き伸ばされた薄い粘膜を襲った極めて高温の蝋による衝撃は生半可なものでなく、イワンの口から絶叫がほとばしった。
だが揺れた腰により次々蝋が垂れて粘膜を襲う。
血を吐くような絶叫。
萎え始めた従者の雄に悩みつつローターのスイッチを入れる。
狂ったように暴れる従者を押さえ付けながら、アルベルト何だか今回も間違っているような気がしていた。
「鞭は基本的に音の割に痛みと疵が少ない房鞭」
「・・・・・・・・・」
「蝋燭はそれ用の低温蝋燭」
「・・・・・・・・・」
全く目を合わせない盟友と、その傍に居ない従者。
何をしでかしたか大体分かる。
「・・・・で?全治何日?」
「・・・・一週間」
「本っ当に君って」
馬鹿だよねぇ。
***後書***
痛々しい話になった。全治何日とかじゃなくってアル様が痛々しい・・・。