【 もしもシリーズ-013 】
笑顔の素敵な38歳(独身)
いつも陽気なセルバンテス。
彼の本当の職業を知るものは少ない。
彼は、殺し屋。
殺めるのが、仕事。
今日のターゲットは、密かに恋しているひと。
笑顔の可愛い33歳(独身)
いつも礼儀正しい可愛い人。
仕事は仕事、恋は恋。
そっと忍びより、構える。
気付いた時には、遅かった。
「秘儀、三年★殺しっ」
「っぐ?!」
ばすっと刺さった人差指二本。
悶絶どころではすまない激痛。
思い切り倒れてのたうっているイワンを大きな袋に押し込んで、車まで運んで。
るんるん気分、鼻歌歌って屋敷へ。
屋敷の、自分の部屋に持って帰って、いそいそと包みを開ける。
ズキズキするお尻に涙ぐんでいるイワン。
優しく取りだして、袋を端に投げやる。
座らせたら痛いだろうと思って、腿の裏を右腕で支えて自分に縋らせた。
「ごめんね、痛かった?」
「な、何なんですかっ、貴方はっ」
「ん?殺し屋」
疑問符を浮かべて目を瞬かせるイワン。
短いまつげが溜まっていた涙を弾いて飛ばす。
「君を殺すことにしたんだ」
「な、何で・・・・・」
「その辺は秘密」
ね、と笑いかける瞳は優しくて、そんな酷い人には見えなかった。
だが、嘘をついているようには見えなくて。
黙って、俯く。
「あの、いつ殺されるのですか・・・・?」
「んー・・・・今日の夜くらい?」
「で、では、それまで調理をさせてくださいっ」
「?」
イワンはお菓子職人らしい。
パティシエになってもう長い。
人の喜ぶ顔が、好きで。
だから、どうか。
「誰でも、貴方でも構いませんから」
おなかいっぱいお菓子を食べて、笑ってください。
そうしないと、突然死ぬのが余りに未練です。
必死で縋られ、つい了承してしまった。
材料は好きに使っていいと言った。
気ままに料理人を呼んで色々作らせるから、菓子の材料もある程度揃っていた。
時間がたつにつれ、館の中が甘い匂いに満ちていく。
目の前に次々菓子が並べられていき、食べてみたがとてもおいしい。
次から次にと作っていた彼は、日が暮れて、片付けをしてからセルバンテスのもとへ来た。
流石に全部は食べれなかったが、味見は全部した。
食べれるだけ、おなかいっぱい食べた。
大好きな人の、望むままに。
でも、足りない。
一番おいしいお菓子が目の前にある。
手を伸ばして、引き寄せる。
戸惑うイワンの頬を包んで、口づけた。
わななく唇に舌を差し入れて、柔らかで甘い口の中を舐めまわす。
甘いものをたった今まで食べていたのに、もっと甘い口の中。
柔らかい舌はきっと可愛いピンクだ。
ちゅぅと吸ってやると、ぴくんと身体が跳ねる。
抱き上げて、ベッドへ攫った。
イワンはとうとう殺されるのだと小さくなって震えていた。
ベッドに下ろして、服を脱がせる。
白い、メレンゲのようにきめ細かな肌。
舌を這わせれば、砂糖菓子のようだ。
柔らかい弾力はフィナンシェと言うよりマドレーヌ。
胸元の淡い飾りに目をつける。
チェリーと言うには淡すぎる。
堪らず唇を寄せて吸いつくと、滑らかな肌がマカロンのように微妙にざらりとする。
鳥肌だが、何とも心地いい。
撫でさすりながら、口の中の甘い果実を味わった。
夢中で舐め吸い、溢れる唾液を飲み下す。
「ぁ、っあ、ん」
「ん・・・・・イワン君のおっぱい、美味しい」
「やっ・・・・・」
顔を隠して恥ずかしがるのが可愛い。
嬉しくなって、もっと言い募る。
「身体もね、触り心地良いよ。生クリームみたいに滑らかで、とろっとしてて」
身体をピンクに染めて顔を背けるイワンの耳を噛んだ。
「耳も、チョコレートみたいな口当たり」
ちゅう、と吸いついて、色んな部位を批評する。
褒め殺されて、余りに恥ずかしい。
羞恥で死ねるかもしれない。
恥ずかしがって顔を背けてしまったイワンに、セルバンテスはにこりと笑った
「ね、こんな美味しいお菓子、食べられないのは嫌だよ」
「あ・・・・・・」
「食べても、いい?」
耳元で低く囁けば、純情なイワンは身体をさぁっとピンクに染めた。
どうも、反応が可愛過ぎる。
媚びと言うには余りに自然、素直なこの人がこんなうまい嘘をつける筈がない。
可愛いターゲットは、きっと自分に惚れてしまったのだ。
顔もそこそこ自信ある、声も、能力も。
身体をゆっくりと擦りあげて行くと、イワンは身体を震わせてセルバンテスを見上げた。
うるうるした目が瞬く度に、涙が散って綺麗だった。
短く固めの睫毛がちらちらして。
ちゅ、と目元に口づけて、軽く吸った。
こくんと鳴る喉。
猫の様にとはいかないが、十分満足する愛らしさだ。
顔中にキスをして、身体を何度も撫でさする。
強張っていたのが和らいでくると、脚の間に身体を割り込ませた。
甘く立っているものを支えて、口にちゅるりと含む。
「ひんんっ」
「は・・・・・甘い・・・・・シロップとか蜂蜜とか、そんな次元じゃないね・・・・・」
「あ、あっあっ、だ、だめ、先、弄らな、で・・・・・!」
ねろりと先を舐め上げる舌に身を捩る。
口で揉み込まれながら先を刺激されるのは耐え難い快楽だった。
がくがくする腰は押さえられていない。
でも、幹の根元を掴まれていては退く事も出来なくて。
ぢゅるりと吸いつかれて悶絶する。
手の締めが強まって、イくにイけない。
堰きとめられているのではなく、出すには少しだけ管が狭くて。
先走りが白く濁っていく。
腰を揺らして苦しむイワンに生殺しを強いながら、何度も鈴口を抉って尿道に舌を差し入れる。
「ひあ、っあ」
びくんと腰が跳ね、口の中に甘ったるい水飴が広がる。
全部飲み下して口を離したが、萎えてはいない。
唇をぺろっとやりながら、目を合わせる。
「お潮噴いちゃった?」
「ふぁ、ぁ・・・・・ぁ・・・・・」
ぴくぴくしながらすっかり蕩けた目で喘ぐイワンには声は届いていない。
もう舐められていないのに、引き摺る余韻で雄は小さく動いている。
手を緩めると、とろとろと先走りが垂れてきた。
かなり白濁していて、精液と境界が曖昧だ。
それをたっぷり掬って可愛い蕾に塗りつけ、指を沈める。
かなりの抵抗だし、イワンも小さく呻いて嫌がっている。
誤魔化すようにキスをして、舌を絡めながら中を刺激する。
少しずつ柔らかくなる入口と、変わらず具合の良い締め付け。
弾力は申し分なく、柔らかい肉質。
三年殺しで裂けなかったのはこの所為か。
ほじくり返すようにしつこく弄る。
イワンは時折腰を振って嫌がったが、萎えてはいない。
快感は強くは無い様だ。
指に当たる前立腺はやや奥で弄りにくい。
仕方が無い、と言い訳して、興奮あらわな男根を押し付ける。
ゆっくり沈めながら、歯を食いしばった。
直ぐにでももっていかれそうな、快楽。
これで身体が慣れたら一体どんな名器になるのか。
ごくりと唾を飲み、軽く腰を引く。
嫌がって身を捩るのを突き抜いて拘束する。
「っふ・・・・・・」
「んくぅぅっ」
ずずずずっと奥に押し入ると、肺の空気を全部吐き出すような喘ぎ声。
腰をもじもじさせるから膝に手を掛けて押し開くと、そそり立った雄の先がピンク色になっていた。
真っ赤な苺の様になって、先の孔はぱくんと口を開いて。
扱こうと手を伸ばして、やめた。
ぐっぐっと突き上げて、前立腺を刺激する。
指では弄りにくくても、何倍も長くそして大きいものなら問題は無かった。
ごりごりと管を開いてやると、甘ったれた泣き声が上がる。
ゆるして、おしりいたい。
そう言って首を振りながら、腰も振っている。
おしりにおちんちん入れないで。
そう泣きながら、管で男根を柔らかく締めあげている。
奥に差し入れ、腰が痙攣しそうなのを堪えて。
中に出していい?
ぽろぽろ涙をこぼして嫌々をするイワン。
おなかのなかにおしっこしないで。
可愛い怯えだ。
何をされているのか、混乱して分からなくなっている。
大丈夫だよ、おしっこしたりしないから。
ね、と微笑み、奥にたっぷり出した。
びゅくびゅくと噴き出すそれに合わせて、イワンの身体が痙攣する。
そして、自分に合わせる様に噴き出す白い練乳。
「・・・・ねぇ、私は殺し屋なんだ」
そろそろ、君を殺さないと。
殺し屋セルバンテスは大変な不摂生。
気ままに料理人を呼びつけての食事は偏りまくりの高脂血症まっしぐら。
ですが、一人のパティシエを殺してからはとても健康的。
締め殺してフルコース・・・・・ではなく。
飼殺して、毎日ご飯を作って貰い。
パティシエはお菓子も料理もとても上手で、野菜でもお魚でも美味しく食べられます。
そして、夜は。
ハメ殺し。
***後書***
○○殺し、で最初に浮かんだ3年もの。普通の人間がまともに食らったら痔になる勢いの必殺技!