【 RPG-001 】



「・・・・ついにここまで来たか・・・・」

そびえ立つ禍々しい塔を見上げる五人。


「思えば長き道のりだった・・・・あの村を出て早・・・・この喋り方何とかならない?堅っ苦しくって舌噛みそうなんだけど」


早々に語り口調を放棄するのは勇者セルバンテス。

普通は伝説の剣や盾を装備するものなのに、この男は魔王の城に入る時点でやっと「素手」から「カトラス」に装備を変えたばかりだ。

カトラスは攻防武器なので勿論盾は装備できない。

服は「クリーム色のスーツ」を着用。

頭部は「クフィーヤ」その他は「ドクロのタイピン」「赤いゴーグル」である。

よもやこんな奇抜な格好の男が勇者だとはだれも思うまい。

第一40歳目前で勇者になるなど誰が予想しただろう。


「勝手にすれば良かろう。私は早く貴様との契約を終わらせて次の戦場に行きたいのだ」


耳をほじくりながら投げ遣りに言うのはレッド、ケーキ3ホールで買収した拳法家だ。

拳法家と言いながら暗器や罠に長けているので、職業通りでない仕事には非常に役に立つ。

ついでに彼を連れているとスリにあわない「見破る」コマンドが増える。

他にもコマンドに「素破抜き(する)」「無駄遣い」が増える。

気質は元々「遊び人」から成長していないので扱いづらい面も。

武器は「忍刀」服は「忍びスーツ」頭部は「赤い仮面」その他が「手甲」「苦無」である。


「・・・・・・・・・・・・・・・・」


黙って塔をまじまじ見ているのは怒鬼、武道家だ。

武者修行の途中でスカウトされて勇者一向に加わったが、どこか抜けている坊っちゃん気質でよく騙されかける。

レッドの「見破る」が無かったらとうに破産する勢いの詐欺られやすさだ。

ただし連れていると「ファミリア」コマンドが常に発動して動物にお使いを頼んだり乗り回すなどの使役が可能に。

彼がいないと進めないマップがあると言うのが厄介なのだ。

まぁこの男自体かなりの珍獣だが。

装備武器は「三節棍」服は「陣羽織」頭部は「笠」その他が「蓑」「ペットのえさ」である。


「おじさまもレッド様も楽しそう」


ふふっと笑うのは幼い少女。

しかしこの世界でも指折りの魔法使い、サニー嬢だ。

愛らしい笑顔には「魅惑(チャーム)」効果があり、骨抜きにした人間は数知れず。

本人は気づいていないと言うのだから末恐ろしい娘だ。

だが戦闘もぐっと楽になり、重要な情報も得る事が出来た。

装備は「魔法ステッキ」服は「魔法少女服」頭部は「母親似の栗色の髪」その他は「白い手袋」「ショートマント」である。


「・・・・・皆様緊張なさっていないのはよい事なのですが・・・・」


不安げなのは僧侶のイワン。

このパーティで一番の常識人であり、非力。

サニー嬢にすら守って貰うと言う駄目っぷりだが、凄い特技がある。

笑顔だ。

これは何故か大人の男にだけ効く不思議な・・・断わっておくが「不思議な」・・・・もう一度言うが「不思議な!」力だ。

まず死、瀕死含めHP全回復、MP75%回復+2分間魔法が「ダブル(二発)」になる。

状態異常回復&異常状態よけが3分間。

さらに士気高揚状態でヘイスト。

30%の確率で30秒間無敵。

30%と言うのは、同時に暴発(鼻血にて瀕死)がある場合があるからである。

装備は「万能包丁」服は「おかあさんのエプロン」頭部は「なし」その他が「危ない水着」(二枠消費)である。

何で自分がと抗議したが、誰も味方になってくれずに着る事になってしまったこの水着。

恥ずかしくて誰にも見せていない。

それがまた「この賢者服の下に・・・・はぁはぁ」となるのだが。


「・・・・じゃ、まぁ」


行きますか!





「・・・・・・やっと来たか」

出迎えたのは白スーツの男。

どうやら門番を兼ねたものらしい。

装備は以下の通り。

武器「真空派」服「白スーツ」頭部「オレンジの中途半端な巻き毛」その他「香水」「悪役らしい雰囲気」である。


「通りたければ通って構わんよ。但し」


僧侶は置いていってもらおう。

レッドが片眉を上げた。


「私のものを奪おうとはいい度胸だな?」

「・・・・・・・・・・・・・」

「何言ってるのかな、私のだよ」

「サニーもイワンを一人占めしたいですわ!」


4人一斉に食ってかかったのに、門番は肩を揺すっていかにも悪役らしい笑い方をした。


「いやいや・・・・人気だな、僧侶殿」

「え・・・・・っ」


引き寄せられて、顔を覗きこまれる。


「宿で皆をお慰めしているのか?」

「・・・・・・?」


戸惑いながら頷く。

慰めると言うか、毎晩神に皆の罪の許しを請うているから、魂の慰めと言えなくもない。

男は可笑しそうに片眉を上げた。


「ふむ・・・・・そうか」


面白いな。

男は道を開けた。

さっさと通れと示すから、皆役目の放棄に呆れながら進む。

イワンが最後に抜けるその耳に、囁かれる。


「僧侶、名は何と言う」

「い、イワンです」

「ではイワン」


私の魂の救済も祈っていてくれ。

えっと思って振り返った時には、扉が閉ざされた所だった。

男が笑っているのが身体の揺れで分かる。


「私は門番ではないよ。「羊番」だ。追い込みが役目」


もう出られはせん。

死んで魂が登っていくならば別だがな?


「では、ごきげんよう」





「・・・・・怖い・・・・」

「羊番」に追い込まれて死に絶えた者の骨が散らばる中を進む。

サニー嬢は怒鬼と手を繋いでいた。

勇者が手を出した時には既にサニー嬢は無意識に安全牌(武道家怒鬼)の手をしっかりと握っていた。

セルバンテスはぶーたれていたが、直ぐに気を取り直して、暗がりに僧侶を引き込もうとするバチアタリな拳法家をシバき倒した。

イワンは今二人に囲まれ、右隣のセルバンテスの手が腰に回り、左隣を歩くレッドの手は時折臀部を撫でまわしている。

生きた心地がしないのは魔王うんたらでなく

「お初が欲しい!」「私もだ!貴様は口でよかろう!」「・・・・口のお初でもいっかなぁ」

という物騒な計画の為である。

何故自分の意志は関係なくこの二人に身体を蹂躙される計画が進んでいるのだろうか。


「・・・・・・泣きたい」

「・・・・・では私の胸で泣くかね?」

「?!」


引き寄せられたと思ったら、そこは地上十メートルはあろうかというシャンデリアの上。

下には仲間の姿、隣にはスーツに覆面、学帽の男が針をつまんで弄んでいた。

武器「針」服「学生仕様スーツ」頭「学帽」その他「覆面」「手袋」装備の残月。


「勇者御一行とお見受けするが、可愛らしいのが二人もいるな」


さて、どちらが噂の「魅惑(チャーム)」を持っているのか。

私はお前に魅入られてしまったようだから、お前の方かね?

ふふっと笑って言葉遊びを仕掛けてくる。

イワンは咄嗟に身を捩った。

揺れるシャンデリア、落ちそうになる身体。

支えた手に力が込められるのが分かる。


「無茶をする・・・・いけない子だな」


仕置きが必要か?

優しい声音とは逆に、強く体をさすられた。

妙に官能を含んだ手つきが怖い。


「やっ、やめ・・・・」

「おや、あちらのお嬢ちゃんが「チャーム」かね?」

「・・・・・っ」


血の気が引く。

あの少女に、サニーに危害が加えられるのはどうしても嫌だった。


「わっ、私です」

「ほう?」


まさか僧侶が嘘などつくまいな?

その言葉にイワンは唇を噛んで俯いた。


「私は・・・・・」

「御託ばかりの頭でっかちは黙らせるに限るな!」

「・・・・っ中々の腕前のようだ」


音も無く忍び寄り、一気に苦無で攻撃に入ったレッドに、残月が笑う。

レッドの戦闘コマンドには「遠距離攻撃」があり、後列、飛空系のものにも攻撃が届くのだ。

驚いた瞳のイワンがレッドの名を紡ぎ・・・・


笑顔、発動。


残月は早々に退散し、その場はレッドが大暴れする事に。

大惨事になった一階フロアを抜けて、階段へ。

踊り場には二人の男。


「・・・・爺様、来たぞ」

「おお、そのようじゃな」


不健康そうな痩身の男の周りには蝶が飛び交うが、不穏な色からして毒がある。

彼、幽鬼の装備は当たり前だが「群雲蟲」服は「スーツ」頭は「鬱陶しい髪」その他が「温室の鍵」「ネガティブシンキング」。

もう一人の男の周りには、何と言わず色んなものが小宇宙を舞う惑星のように回っている。

彼はカワラザキ。

装備は武器については「念動力」で、服は「スーツ」頭は「自前の白髪」その他は「曲がったスプーン」「ピンボケ写真」。

倒しても実入りが少なそうな二人だ。


「ここは身体能力を試す場」

「この攻撃乱舞から逃げおおせる力があるのならば」

「力を認め」

「通行を許可する」


交互に語られる内容に息をのむ。

勇者や武道拳法家は何とかなろうが、マジシャンと僧侶が問題だ。


「・・・・・どうしようか?」

「置いていく気なら私も残るぞ?」

「・・・・・・・・・」

「いや、残るんなら皆で残ればいいじゃない」

「でもおじさま、魔王はどうするのですか?」

「どうしよっかなぁ・・・・って言うか誰か勇者代わってよ。話纏めるの苦手だもの。もっと気ままにやってたいんだよね」

「黙れ。貴様が勇者だと言うのが既に世の末を感じさせる」

「・・・・・・・・・・・・」

「おじさま、勇者のおじさまは素敵ですよ」

「嬉しいなぁ、サニーちゃん!おじさまはその一言の為に頑張れるんだ!」

「貴様はこいつがいるから良いだろう。イワンは私が貰」

「駄目だよ!!!私は二人ともお嫁さんじゃないと世界なんか救わないからね!」

「面倒臭い男だな!我儘放題か!」

「君じゃお嫁さんが可哀想だよ!ねぇサニーちゃん、イワンく・・・・イワン君?」


イワンが攫われた事に一行が気付いたのは、攫われてからたっぷり十分後だった。

皆顔を見合わせ、視線を交わし合う。

セルバンテスはここに至って初めて的確な指示を出した。


「まず怒鬼、サニーちゃん抱えて走って」

「・・・・・・・・・」

「レッドは先行、道を開いて」

「ちっ・・・・」

「私は後続、しんがり。じゃあ全員」


魔王の所までダッシュ!お姫様を救いに行くよ!





「・・・・・怯えているな」

「仕方なし」

魔王に差し出そうと思っている供物の怯えっぷりに、樊瑞と十常寺は気まずく顔を見合わせた。

一応話しておくとしよう。

十常寺の装備は「妖しい球」「中華っぽい服」「中華的な帽子」その他が「エビチリ」「エビマヨ」(いずれも消費アイテム)。

樊瑞の装備は「お札」「クールビズスーツ」「そろそろ散髪に行きたい髪」その他が「イカレた外套」で、属性はロリコンである。

兎角・・・・。

こうも怯えられては手が出しにくい。

いや、怯えられる事には慣れているが、良い歳の男と分かっているのにこうも傷ついた小動物の様な・・・兎角独特の愛らしさ。

はて困った。

これを魔王に差し出すのは惜しい。

いっそ自分で食ってしまおうか。

しかしそうなってくると互いが密告者になりかねない。

危ない橋・・・・美味しそうな獲物・・・・。

悩み視線を交わし合っていると、ドアが吹き飛び、のそっと魔王が姿を現した。

じゃあ仕方ない、と諦めを言い聞かせ、見守る。

寝起きらしい魔王は水差しから水を飲み、打ち捨てて割った。

その破片の一つが転がった先に、僧侶発見。

膝に顔を埋めている所為で顔は見えないが、どうやら男らしい。

僧侶ならば肉を食ってやろう、寿命が伸びるらしいし。

そう思い、首根っこ掴んで引きずっていく。

たらふく寝たら、次は腹が減るのだ。


「・・・・・!・・・・!」


蒼白で涙ぐむイワンに心の中で手を合わせる。

大丈夫だ、骨は拾ってアンデッドの奴隷に・・・・いや、うん。





「・・・・・・っ」

寝室に投げ入れると、ぎくしゃくしながら部屋の隅に這っていく。

その足首を軽く踏みつけてやると、恐る恐る振り仰いできた。


「ひぃっ」

「・・・・・・・・」


人の顔を見るなり掠れた悲鳴を上げた男は、どう見ても三十路は過ぎた大人の男。

しかし妙に可愛げがある。

手を伸ばすと、ずりずり後ずさった。

面白くてゆっくりと部屋の隅に追い詰める。

背が付いたら寝台に這いあがって必死にシーツの上を逃げる姿。

段々と可愛げから色気へと変わっていく。

それは彼自身が変化しているのではない。

彼が状況によって色々な色に見えるのだ。


「名は」

「・・・・・・・・イワン、です」

「ではイワン」


今からお前にこの世の果てを見せてやろう・・・・。

死刑宣告よりもっともっと恐ろしい言葉に、イワンは掠れた悲鳴を上げた。

伸びてくる手を必死に払いのけ、顔を背ける。

顎を掴まれ、口づけられた。


「んんっ・・・・んん!」


甘く柔らかい口の中に、魔王・・・・アルベルトは驚きを隠せなかった。

女も淫魔も敵わない程の蠱惑的な味わい。

堪らずにむしゃぶりついて蹂躙する。

穢れを知らない柔らかい口の中を、男の厚くざらついた舌が掻きまわす。

強張っていた身体が突然かくりと力を失い、アルベルトは唇を離した。

唾液まみれになってしまっている唇にもう一度唇を合わせ、息を吹き込む。


「・・・・けほっ、けほっ!」

「接吻で死ねるのもある種才能だな」

「・・・・・っ貴方には関係な」

「黙れ」


もう一度唇を合わせ、甘い蜜の絡んだ舌を吸ってやる。

痺れてきたのか、されるがままの柔らかい薄肉。

今度はたっぷりと唾液を飲み込ませにかかる。

唾液の塊を含ませ、舌で押しこみ、喉の奥に。

苦しげにするが、何とか飲み込んだ。

涙ぐんで、絡んだ舌を引くようにする。

快楽を与えるでも拒むでもなく、どうやら葉巻の苦味が嫌らしい。

そんな仕草をされればもっとやりたくなるわけで。


「んん・・・・ん・・・・ん」

「・・・・・・・どうした?」


たっぷりと唾液を飲み込まされ、イワンは震えながら胸を喘がせた。

じんじん痺れる唇は濡れてぽてっと赤く色づき、白い頬は花のように染まり。

たとえようない、可憐な姿。

無理矢理に清純を穢す悦び。


「あっ・・・・・!」


僧侶服を剥ぎ取り、アルベルトは手を止めた。

まじまじと見てみるが、どう考えてもこれは・・・・。


「・・・・・・・」

「・・・・・あっ、ち、違、これは・・・・!」


勇者に押し切られて着た「危ない水着」。

艶めかしい姿もさることながら、これは誘惑の効果がある事を忘れてはいけない。


「え・・・・っゃ、やっ」


急性に引きむしられていく服。

丸裸にされ、背中に噛みつかれた。

痛みと恐怖に喉が引き攣ってうまく声が出ない。


「ひっ、ひぅっ」

「・・・・・・・・・・・・・」

「っああ!」


尻を強く掴まれて悲鳴が上がる。

割り開かれ、恐怖より先に恥ずかしさで目眩がした。


「ひっ・・・・や、な、なっ」


後孔に感じた濡れた感触に、イワンは振り返って絶句した。

そんな場所を、舐めるなんて。


「い、いや、嫌、ゆるし、て・・・・」


痛くしていない筈なのに、許してと言われ、アルベルトは内心困っていた。

何を許して欲しがっているのか分からない。

生殺しなのが嫌なのかと舌をねじ込むと、悲痛な悲鳴を上げて身体が痙攣し始めた。

ならばどうして欲しいのだと苛立ち、指で慣らすのもそこそこに身を起こし、押し当てた。

顔面蒼白で見上げてくるのに鼻を鳴らし、ねじ込む。


「あぁぁぁぁぁっ!」

「・・・・・っ暴れるな」


暴れられると腹の中が複雑に動いて持って行かれそうになる。

歯を食いしばって突き上げるが、泣きながら身を捩る動きに我慢は長く持ちそうにない。

加減なしで強く大きく突き上げる。

血の匂いが鼻先をかすめた。


「あっあっ、ああっ、あっ」

「・・・・・・・っ」


背を反らせて泣き叫び、シーツを手繰る。

思いなおして、足を掴んで仰向けにさせる。


「ひっく・・・・ひくっ・・・・」

「・・・・・・」


泣いているのがなんだか落ち着かない。

今迄どんな女も子供も食うのに抵抗は無かった。

それが男を犯すのに何故こうも・・・・いや、これはそれとは違う。

泣いているのが嫌なのだ。

笑って嬉しそうにしがみついて欲しいのだ。

しかしどうすればいい?

動きを止めたまま、アルベルトは咽ぶイワンの頬を舐めた。

涙の味だ。

何度も繰り返していると、イワンはうっすらと目を開けてアルベルトを見上げた。


「・・・・・・・」

「・・・・・・・」


目が合い、見つめ合う。

何ともおかしな図だが、当人たちは真剣だ。

何かが、分かりそうな気がする。

何か、大事な事が。


「・・・・・貴様はワシを倒すためにここへ来たのか」

「・・・・?」

「笑え」


笑って見せたら首をやる。

イワンは目を瞬かせた。

戯れの色を含まぬ赤い目が、見つめてくる。


「笑え」

「・・・・・笑いません」


イワンは手を伸ばした。


「首など要りません。私は」


貴方様と共に歩みたい・・・・・・。

アルベルトは黙ってイワンを抱きしめた。

「魅惑(チャーム)」は娘に継がれて自分からは失われた能力だ。

この男を捕えた能力は何なのか。

この男に捕えられたのは何故か。

それを知るには互いにもう少し共に居る必要がある。

アルベルトはイワンに口づけた。


「共に、か・・・・・・」





「間に合わなかった!・・・・って、アルベルト?」

「何だ貴様か」

扉を破壊して魔王の寝室に踏み込んだ勇者一行。

しかし勇者と魔王は知り合いだった。

と、いうか。


「・・・・・いや、君が魔王やってるのは知ってたけど、ここ君の城?」

「ああ・・・現職の魔王は三人だが・・・もう一人の孔明とか言うのは東、ビッグファイアは北だ」

「・・・・サニーちゃんは知ってた?」

「おじさまに言いました。お聞きになっていなかったのですか?」

「・・・・レッドは?」

「二つ前の町で貴様に言った」

「・・・・・ま、そう言う事もあるよね!」


はっはっは!と笑う駄目なおじさま。

レッドが欠伸をする。


「第一私達ははじめの村で「薬草を三個村長に持っていく」をクリアしておらんからな。どの魔王を倒すのかなんて誰も知らんぞ?」

「そうだっけ?」

「もう、おじさまったらおちゃめさん」

「あぁサニーちゃん!駄目なおじさまをもっと叱ってくれたまえ!あ、アルベルト、君も行かないかい?」


寝起きにひと暴れってのも良いよ?


「・・・・・悪くないな」


こうして魔王と悪魔神官に転職した僧侶がパーティーに。

勇者セルバンテスの旅は続く。

備考として

魔王アルベルトの装備、武器「衝撃波」服「黒スーツ」頭部「きっちり決めた短髪」その他「ダンディスマイル」「男の色気」。

コマンドは「帝王の一喝」が増え、使用すると相当強い敵以外は近づいてこない。

掛け声は何故か「十傑衆をなめるなぁぁぁぁぁ!」であるが。

悪魔神官イワンの装備、武器「出刃包丁」服「新妻エプロン」頭部「なし」その他「キスマーク」(二枠使用)。

コマンドは「笑顔」に加えて「恥じらい」があるが、これが発動するとアルベルトと一緒に三ターンどこかへ姿を消してしまう。

効果は(鼻血による出血多量で)(敵味方問わず)即死。

確実に残れるのがサニーだからゲームオーバーにならないだけというパルプ○テである。

これを使用するとアルベルトが帰ってきた時に彼のステータスは全快、イワン瀕死、パーティーの男三人はバーサーカー。

乱闘が発生する。

確実に残れるのが(以下略)。

こんなパーティーでいつか魔王を倒して村に帰れる日は来るのか?!


「帰る気も無いけれどねぇ(笑)」





***後書***

自分で言って自分で書いちゃったもの。

もうFfやらdQやら幻な水的な要素が詰め込み過ぎて夢いっぱい。

勇者がセルバンテスという設定が冒険(色んな意味で)