【 RPG-002 】



勇者セルバンテス、拳法家レッド、武道家怒鬼、マジシャンのサニー、そして僧侶のイワン。

勇者と拳法家が敵を倒す事よりも、僧侶にちょっかい出す事の方に年中夢中で、魔王の元にたどり着けない。

やる気のないセクハラ勇者と拳法家に見切りを付け、とうとう僧侶は立ちあがった。

心配するサニー嬢に「危ないですからどうぞ来ないでください」と墓穴を掘って、独りぼっちで帝王のもとへ。

しかし忘れてはいけない。

彼は僧侶なのだ。

攻撃というものは基本的に「出来ない」。

杖で殴るのすら論外の彼は、ただひたすら魔王の前でステータス増強と回復を行っていた。

もう上がりに上がった攻撃防御その他で、今なら杖で殴っただけでもかなりの攻撃力だ。

しかし殴れないのだから話にならない。

魔王は魔王で、何だか頼りない僧侶が一人で来て、攻撃法も無く回復しまくっているのを見て楽しんでいた。

何だか分からんが、可愛いものだと。

そのうちにMPが尽き、もうどうしようもなくなった僧侶が残る。

ちょいと指先を動かして、引き寄せる。


「・・・・・・・・!」

「・・・・・・・」


顔面蒼白で目を見開き怯える男。

そんなに怖いならなぜ一人で来るのか。

たとえばあのお気楽勇者を連れてくれば、もう少し話は変わったのに。


「・・・・・まぁ、いいか」


魔王が、牙を剥く。





「っあ・・・あ、あ・・・・・」

四つん這いで犯されて、イワンは何度目か分からない絶頂を迎えていた。

身体の下には白い泉が点々とし、噎せ返る様な雄の匂い。

腿を伝うどろっとしたものの正体は恐ろしくて確かめられない。

何度も指だけでいかされたから、血液では、ない。


「ぁんっ、あ、ぁんんっ」

「ふっ・・・・中々楽しめる。もっと鳴かんか」

「ひぁ、あ・・・・!」


ぐぷっ・・・・ぐぷっ、と注挿が遅くなり、腰が勝手に揺れてしまう。


「あぁ、あ、許して、許して下さ・・・・」

「何を許す?ワシにたてついた事か?仲間を捨ててきた事か?」

「あぁ・・・・せ、る・・・・」


セルバンテス様・・・!

零れ落ちた名に、アルベルトの動きが止まる。

自分に抱かれながら、盟友に助けを求めるのか。

他の女がしたならば興奮を煽る要素でしかなかったそれ。

この男がやったと言うだけで、はらわたが煮えるような怒りを覚える。


「・・・・・貴様」

「ひっ・・・・!」


握りつぶす勢いで立ちあがっていた雄を掴み、根元を締めて腰を揺する。

どうも悦い所に先が来たようで、激しく絡んでくる媚肉。

歯を食いしばって強く突き込んでやると、悲鳴を上げて逃げを打った。

苦しみに掠れた叫び。


「あぁ、ああ・・・あ」


涎を垂らしながら、射精も出来ずに絶頂を迎える身体。

激しくよじられる身を押さえつけ、獣のように種付けしてやる。


「ぁんん、んん・・・・・」


ゴポポッ、ゴポポッ、と流し込まれる体液。

濃く多量な魔族の精液に浸食されていく身体。

腹の中いっぱいのそれが怖くて仕方がなかった。

怯えて泣いていると、また身体の中のものが大きくなって、硬く脈打って。

痛くなってきた後孔を突き上げられて、また流し込まれて。

イワンは無意識に腹に手をやっていた。

膨らんだ下腹部を支えて泣いていると、繋がったまま抱きかかえられ座らされる。


「貴様はもう逃げられん」

「あ・・・・あ・・・・」


目の前の姿見に映る自分。

心臓の上に「emeth」の文字が浮き上がる。

これは、これでは。


「聖職者は魔族に引き込めん。然らば」


「生きた人形(ゴーレム)」にするが道理よ・・・・・。

囁かれた言葉に、絶望が募る。

イワンは身体から力を抜いた。

投げ出された手脚を男の手が這いまわる。


「・・・・・イワン」

「・・・・・・・・・・・・」

「貴様はワシを倒せば全てが終わるとでも思っているのか・・・・?」

「・・・・・・・・?」


この世は陰と陽で成り立っている。

ワシが居なくなってもまたすぐに陰が発生する。

それの繰り返しだ。

だが貴様がその身を差し出せば。


「もう他には手を出さん・・・・」


イワンは少しだけ身を震わせ、泣きそうな声で呟いた。


「・・・・貴方様の、お傍に」





「・・・・という事だ。貴様は帰れ」

魔王然と言い放つ盟友に、セルバンテスは地団太を踏んだ。


「何でかな?!いつも君って美味しい所持って行くよね!」

「貴様の要領が悪い」


喚く勇者は最近レベルを上げて魔王に転職したらしい。

現在この世に魔王は5人。

アルベルト、セルバンテス、樊瑞、孔明、ビッグファイア。

魔王が「職業」で複数名いると聞いた時は、イワンは目の前が真っ暗になるのを感じた。

アルベルトが抱きとめてくれたので怪我はしなかったが。

何だかんだ言って、意外と人間臭い自分だけの魔王に、今やイワンも夢中。

僧侶だった筈なのに、淫魔顔負けの身体と純情に自分を慕う姿勢にアルベルトもイワンに夢中。

幸せそうな二人に、新人魔王は溜息をついた。


「イワン君も何でこんなのが良いかなぁ・・・・」

「貴様にだけは言われたくない台詞だな」





***後書***

take2!勇者の駄目っぷりが最高潮。