【 RPG-005 】



「イワン君!回復を頼むよ!」

叫んだ勇者セルバンテス、レベル38。

武器「幻惑の眼差し」服「アラブな王族的な何か」頭部「ちょっと巻いた半端な髪」その他「獣の本能」「結婚願望」。

結婚願望はこのPTの召還士限定らしい。


「待て!私が先だ!」


負けじと叫ぶ忍者レッド、レベル25。

武器「忍刀」服「上忍服(赤)」頭部「伊達眼鏡(赤フチ)」その他「如何わしい妄想」「恋心」。

恋心はこのPTの召還士限定らしい。


「いや、常識的に考えると私が先だ」


前に出る騎士ヒィッツカラルド、レベル27。

武器「口説き文句」服「シャにぇルの5番」頭部「白目100%」その他「女好き」「別腹」。

別腹はこのPTの召還士限定らしい。

口説き文句はコマンドでもあり、多々役に立つ。

服はレジェンドシリーズだ。

この世にいくつかあるらしい。

「みこなのにナース」とか「持って行かれたセーラー服」とか。


「・・・・全員何とかならないか?」


今にも倒れそうなのは黒魔導師の幽鬼、レベル24。

武器「物干し竿(杖)」服「汚れても分かりにくい黒のローブ」頭部「色艶の悪い髪」その他「純情」「暗い欲望」。

長く重い物干し竿に常に悩まされ、引きずったり捨てようか悩んだりしている。

しかし誰も装備を変えさせてくれない、イジメだ。

しかしそれにより威力がたまるのがひっそり装備された「暗い欲望」。

いつ爆発するのか勇者以下苛めっ子はわくわくしている。

暗い欲望はこのPTの召還士に向いているらしい。


「ええと・・・・不死鳥はちょっと消費MPが大きすぎるし・・・・カーバンクルくらいなら何とかなると思いますが・・・」


回復や補助、ステータス増強系に特化した召還士イワン、レベル33。

武器「はたき」服「ピンクのエプロン」頭部「なし」その他「無意識の色気」「無敵スマイル」。

一見するとおかあさんにしか見えないが、彼はれっきとした男で召還士だ。

特殊コマンドに「正座しなさい」があり、これからコンボで「お説教」そして「叱った後の自己嫌悪」に繋げる事が出来る。

勿論2コンボで止めておかないと困るが、しょぼくれて震えている姿見たさにいつも3コンボしてしまう。


「時間を稼ぐぞ。イワン、詠唱時間は」

「い、一分あれば」

「よっし、皆行くよー!」

「イワン、頑張れよ」

「余り気負うと失敗するぞ」


駄目そうな装備の微妙なレベルの冒険者たちだが、意外や意外、これでかなり強い。

冒険前半、しかも一人として40行かないレベルで、ピンクの外套の魔王(隠しボス、条件を満たすことで何度でもボコられに来る)も倒せる。

いつもイワンの出番は少ないが、役に立てるのなら、望まれるなら頑張りたい。


「あかときくだち(暁)の中に燃えるその深紅の・・・・」


難しい詠唱を一気に唱えるが、しかし。


「その額に抱けき・・・・けほっ」


変な所でむせてしまった。

瞬間、嫌な空気が立ちこめる。

突如方陣の色が変わり、そこから先は見た事の無い線引きが始まり。


「ひっ・・・・・」


黒いマント、赤い瞳、半端無い威圧感。

「闇の帝王アルベルト」を召還してしまった・・・・!

召還魔中最高レベルを誇り、今まで誰も扱いこなせなかったという。

地を這う様な声。


「ワシを召還するなど久し振りだと思えば・・・・下等な人間風情か」

「ひぃぃっ、あの、あの、すみません、間違ってしまって・・・・!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・間違いだと?」


アルベルトの額に青筋が立った。

間違いで叩き起こされたと言うのか、間違いでこの高貴な魔が召還されたと?

下等な人間に間違って召還されたとあれば、この気位の半端無く高い帝王が切れるのは想像に難くない。

しかし、馬鹿正直なイワンは怯えてそれに気づかない。


「申し訳ありませんっ!い、いつもは失敗しないのです、半分くらいの確率で成功するのです!」

「半分しか成功せんのか」

「ひぃぃっ、み見栄を張りましたっ、本当は30%くらい!」

「っ貴様!」


不機嫌極まりないどころかくびり殺しそうな勢いの帝王と、召還したのに怯えきっている召還士。

初めての種の魔を召還すると、強制的に異界へ送還、両者の戦闘となる。

戦い倒せば、契約を結べる。

しかし。

イワンの紹介からも分かるように、彼は基本的に強くない。

回復形に特化したのは、戦って勝てるのがそう言うものしかなかったからで。

こんな帝王に勝てる筈なんて、ない。

イワンはしんみりとしながら杖(はたき)を置き、正座して帝王を見上げた。


「あの、出来れば痛くない方がいいです・・・・」


泣きそうな声で言われ、帝王は頭を掻きむしった。

なんなのだ、これは。

愛らしい若い娘でもなし、やっている事は諦めた老人。

本当に腹が立つ。

何と言うか、もどかしいのだ。

第一その頼りなげな仕草の所為で妙に・・・いや、声か?それとも・・・・兎角全身が「色っぽい」のだ。

エプロンの紐で結んでいるためラインが分かりやすい腰なんて垂涎もの。

試しにひっ立たせて触ってみる。


「や・・・・!」


怯えた小さな悲鳴。

服を引きむしってみた。

破れた服を掻き抱いて後ずさる姿は生娘顔負けの清純さ。

染まった頬は乙女の愛らしさに引けを取らず。

匂い立つ色気は熟女顔負けのいやらしさ。

くつりと笑って地面に突き倒し、圧し掛かってやる。

怯えてもがく首筋を舐め上げて歯を当ててやると、びくんと身体の動きが止まる。

泣きそうになりながら様子をうかがう瞳が良い。

腕を纏めて押さえつけ、反対の手で太腿を触る。

滑らかな良い足だ。

付け根を擽ると、激しく身を捩る。

怯えている癖にと思ったら、どうやら無意識のようだ。

直ぐに突っ込んでやろうと思っていたが、気が変わった。

じっくりと羞恥を煽り立てながら服を咥えて剥ぎ取ってやり、裸に剥く。

眉を寄せて顔を赤らめるのに笑って、頬をべろりと舐めた。

熱いのは羞恥の為に熱を持っているからか。

そのまま舌を首筋に這わせて二箇所程接吻の跡を残し、胸の尖りをぢゅるっと含む。


「ぃあ・・・・ひっ・・・」


身を捩るから唇に押し付けるようにされる尖りを強く吸う。

あいた方の手で摘まんで先をれろれろと舐めてやると、腰がくねった。

何とも淫らな動かし方だ。


「ああ、あ・・・・」


頬を真っ赤にして喘ぎ、薄く開いた唇からピンクの舌が覗いている。

吸うより舐めてやる方が格段に感じている。

舌を押し当てて舐めつつこねくりまわしてやると、激しく身を震わせた。


「あっあ、あんっ・・・・」


目を潤ませて快楽に呑まれている姿には驚く。

女でも乳房を吸われてこんなには感じまい。

お座成りになって口に溜まる唾液を必死で飲む音が小さくこくんと聞こえた。

面白くなって片方を指と爪で、もう一方を唇と舌で嬲ってやる。


「ひぃっん・・・・」


身をこわばらせて激しく喘ぐ姿は淫ら極まりない。

そのくせ泣きそうな顔が初心な娘に悪戯しているような錯覚を起こす。


「ぁんんっ!」


ちゅく、と柔く吸ってやると、身体が断続的に痙攣し、弛緩した。

見下ろせば、腹を派手に白濁で汚している。


「ふぁ・・・・は・・・・」

「ある種の才能だな」


くたりとしたまま余韻によっている口に、指で掬った白濁を押し込んでやる。

すると何を思ったのか指先をちゅうと吸い始めて。

赤子のような仕草が、艶っぽい。


「ふん・・・・男娼か」


嘲るように言っても、不思議そうにしながら見つめてくるだけ。

そこに至ってようやく気付く。

今この男は自分の「魔」にあてられているのだ。

酔っ払って夢心地なのと同じ。

本来は最初の通り慎ましく清純なのだろう。


「あ・・・・ぁ・・・・」

「・・・・・・」


手を伸ばしてくるから取ってやると、嬉しそうに微笑んで身体を擦り付けてくる。

必死で求めてくる。

それが何だか堪らなく愛おしくて、アルベルトは急性にイワンの身体をまさぐった。

イワンの唾液に濡れた指に白濁を掬い、後孔に塗りつける。

差し入れると、強く絡みついてきた。

熱く柔らかく、締め付けもよく。

逸る気持ちを抑えて、それでも我慢出来ずに。

脚を上げさせ、ひくつく窄まりに押し当てる。

眺めながら入れると、ピンクの襞が伸び切りながら男根を飲み込んでいくのが見えた。


「あ・・・・・は・・・・」


顔を見れば、苦痛に涙を流して喘ぎ。

口から覗く、ピンクの舌。

指で摘み、唇を寄せて噛む。

引こうとするそれを摘まんだまま舌先を往復させると、益々泣いた。

放してやると、涙の代わりに甘い声を溢れさせる。


「はぁっ、あ、ああ、あ」


ズッズッと抜き差ししてやると、地面に爪を立てて頭を振る。

うわ言のように「怖い」と繰り返しながら。

貴様は生娘かと言いたくなるが、それもまたいい。

童貞の匂いはしないが、これならば男は初めてだろう。


「心地が良いか」

「あっあ、ああ、んぁ」

「くく・・・・この身体で楽しむのも悪くないな」


久し振りに楽しくて、笑いながら中に出してやる。


「ぃや、や、あぁ、あ、あ」


ドポドポと注がれる精に悲鳴を上げながら、その耐えがたい悦楽に白濁を噴き零す。

抜け出るそれに身体の力を抜くと、今度は後ろから犯された。


「ひぅぅっ・・・・!」

「っは、一度目と締まりは変わらずか」


何度も犯され、凌辱されて。

やっと解放された時には、声は掠れて節々は痛み、言えない所は激痛。

涙を拭って鼻を啜ると、顎を掴まれて口づけられた。

不似合いな優しいそれに、痛みが和らぐ。


「貴様と契約を結んでやろう」





「・・・・イワン君、どうしてこんなの連れてきたの?」

アルベルトと契約を結んで一安心と思ったら、この帝王・・・イワンからしてみれば悪魔に他ならない男は、召還していなくても勝手に現れ勝手に暴れる。

強い、確かに強い、でも迷惑だ。

召還の代価はMPで無くイワンの身体だし(強制異界送還3ターン)大して減っていない魔力補充の名目で戦闘終了後二時間以内に宿に一泊。

でないと不貞腐れてまた暴れるのだ。

最近イワンの装備は変わってしまった。

武器「菜箸」服「可愛いエプロン」頭部「なし」その他「胃薬」「恋の予感」。

胃薬が手放せない。

何だかドキドキする。


「すみません・・・・あの、御迷惑でしたらパーティーから抜けますから・・・・」

「何言ってるの!」


それは檻の中にこの帝王な狼と子羊イワンを放り込んでしまうのと同義。

そんな極悪非道な事出来る筈がない。

第一初めては駄目でも良い感じにえっちになった身体を頂く機会は伺えるわけで。

勇者も忍者も騎士も、魔導師も、皆。

隠しボスより強いこの帝王を倒そうと日々レベルを上げている。


「いつか、いつかね!」


イワンを抱きしめて耳をかじかじしながら、悔しがる男達を眺めるアルベルトの装備は以下の通り。

武器「衝撃波」服「帝王のマント」頭部「ハゲる気配の無い毛髪」その他「イワンに夢中」(二枠使用)。

何だか「あれ?」な装備があるのは、御愛嬌。

イワンの装備が「アルベルト様に夢中」に変わる日は来るのか?!





***後書***

たまには先にアル様が夢中になっても良いよ。