【 もしもシリーズ-026 】



「あああ、こらこら!」

9人がかりで苛められても無表情の幽鬼君を回収し、お布団に。

他の9人も捕獲して、牛乳を飲ませて布団に寝かせる。

おやつのクッキーは皆好きなのに、どうも牛乳を嫌がる。

おやつのあとはお昼寝と言い聞かせ、一人ひとり添い寝をして寝かしつけた。

隣の国警組さんからは『地獄の労働』と称されるBF組の担任は、イワンという保父さん。

料理上手、音楽教養ばっちり、子供好き。

保父さん以外に我儘親父の御世話くらいしか向かないほどの実直で優しい心根。

寝顔だけは天使の子供たちを見つめて微笑んでいると、園長先生がやってきた。


「カワラザキ様」

「ああ、よく眠っておるのう」


幽鬼君の保護者でもあるカワラザキは、遊ぶとなると大人気の園長先生。

走るのは遅いが、子供を軽々抱き上げて、お布団にばふん。

大人気の遊びだ、夏はプールでもやっている。

一体何歳か不思議なほどに元気な人。

噂では、若いころは大層遊んだ人らしい。

その割に子供も出来ず、幽鬼君も里子。

だが、朗らかで豪快な人柄は子供に懐かれるタイプ。

何の経緯があったかは知らないが、このどこの園にも長続きしない問題児たちをまとめて預かっている。


「桜が散りそうじゃ、そろそろ消毒しておかんとな」

「そうですね」


毛虫くらいで泣く子もいないが、幽鬼君が泣いてしまう。

容赦ない鬼子らに木からはがされ突つかれ踏まれていく毛虫に泣きじゃくるのは毎年恒例の風物詩だ。

最初にそっと殺虫しておいてあげないと、幽鬼君が暴れると他のが秘密をばらされて泣くし。


「・・・・春ですね」

「・・・・・辛いか」

「いえ・・・・・」


初めてイワンがここに来た時、彼はぼろぼろだった。

故郷が災害で跡形もなくなり、住む事すら不可能。

なけなしの金で国を出て、金が尽きたこの国で歩き続け。

疲れ切っていた時に、幽鬼に会った。

爺さまなんか嫌いだと泣いて拗ねるのをあやし、家を聞きだして届け。

カワラザキに返された幽鬼は、もそもそと謝った。

長い話をイワンに聞いてもらって、少し自分を反省したらしい。

自分の口で反芻して初めて、自分の言っている事が間違っていると気づいたのだ。

泣き疲れて眠る幽鬼を渡し、カワラザキと話をしている内に、泣いてしまったイワン。

我慢して気を張っていたのが、人と話をして突然切れてしまって。

しゃくりあげるのを、抱きしめてくれた。

あたたかい腕の中で泣きに泣いて、そのまま眠ってしまって。

働き先を与えてもらえて。

今は住み込みで働いているが、週末は家にお邪魔している。

眠る幽鬼を見つめていたら、抱きすくめられたのは記憶に新しい。

お前が欲しいと囁かれ、心臓が止まりそうだった。

戯れで男に手を出す人でないと知っていた。

相手に不自由もしていないはずだ。

でも、求められた。

断っても叩きだすような人ではない。

でも、だから。

そんな男気あるところが、好きで。

お風呂を使わせてほしいとお願いして。

彼の寝室に、初めて入った。

優しく激しい愛撫に、無垢な身体はすぐ花開いた。

もう、普通の愛撫では我慢できない。

あの厭らしくねっとりとした愛撫で苛められる度、激しく乱れてしまう。

今だって、後ろから抱き締められている。

すぐ傍には子供たちが眠っているのに。

耳に這う温かい舌に、腰がしびれてしまう。

声を抑えて息を弾ませると、カワラザキはくつりりと笑いイワンを伴って座り込んだ。

膝に上げられ、背から抱かれる。

脚を開かされ、服を乱された。

肌蹴てしまったワイシャツからは白い肌が覗き、スラックスは没収。

エプロンは、首に引っ掛かったまま。

紐を見せびらかされ、こくんと唾を呑んだ。

項垂れた雄を軽く扱かれ、腰が揺れる。

根元の付け根から、絞るように亀頭の下まで。

なのに、亀頭は親指で苛められてちょっと痛い。

ぱっくり開いた鈴口をこすられて、息が震えた。


「は・・・・・は・・・・・ぁ・・・・」

「声は堪えんといかんぞ?」

「ん・・・・・・」


頷くと、すっかり育っている雄のかりに紐を回される。

そこで一旦軽く縛り、小さなクリップのついた両端を尖りに。

慣れるまで少し時間がかかったこの行為。

敏感な尖りにクリップを初めてつけられた時は、余りの痛みに泣いてしまった。

カワラザキも、この敏感さには驚いた。

処女の娘より敏感だ、まるで子供。

痛いと泣くのも、初めは演技だと思っていた。

が、あまり激しく泣くので外せば、もっとお尻は痛いの、と怯えた目で問われ、苦笑い。

色々触ってみたが、どうも敏感すぎる身体だ。

入口は柔らかいが、痛がるのも激しい。

が、中の感じっぷりも凄い。

騙すように入れてやれば、直ぐにとろとろになる。

尖りと雄に張られた紐を弾くと、びくっと身体が跳ねる。


「んっ」

「脚が閉じておる」

「あっ・・・・・」


閉じかけの脚をグイと開かされ、目の前には眠る園児達。

弾かれるたび、腰と尖りを苦痛が襲う。

同時に押し寄せてくるのは、仕込まれた身体が高まっていく悦楽。

ぴんっと弾かれ、雄の先から汁の雫が飛ぶ。


「あ・・・・あ、っ・・・・は」

「悪い子じゃのう」

「んんっ」


紐の途中をくいくいと引かれ、尖りが痺れる。

深く息を吐いて声を堪えると、ぐぐっと引かれた。

カワラザキの好む、遊び。

焼けるような痛みとともに見舞う激しい快感を思うだけで、蜜がたらっと落ちた。


「は・・・・ぁ・・・・・・っん!!」

「上手くこらえたのう」


いい子じゃ、少し残念じゃがな。

耳元で言われて、頬が熱い。

尻に感じる熱い肉槍に、蕾が疼いた。

これでお尻を刺激されていけるようになるまで、少し時間がかかった。

カワラザキも大概遊んだ男だが、尻ばかりに構っていたわけではない。

寧ろ本腰入れて開発するのは初めてで、ついついやり過ぎる事も。

ほじくり返されて泣きながらイッた時は、潮まで噴いてしまった。

射精は前立腺への刺激で済んでいたが、射精直後の敏感な身体を責められては堪ったものでない。

射精後も続く激しい快楽責めに、潮を噴いたのだ。

噴き出す透明な蜜は、以降カワラザキのお気に入り。

ちょっと疲れたら、潮を吹かせてはぺろり。

甘ったるいそれと辛い酒を呑み下して、また攻め立てる。

乾いた男の指が、蕾を刺激してくる。

つついたり擦ったり、意地の悪い動き。

もじりと尻を動かすと、蜜で濡れた別の指が入ってくる。


「んっ」


入口が、ずきずきする。

けれど、中が気持ちいい。

指が増やされるたびに痛むが、微々たるもの。

もう少しで、お尻を犯してもらえる。

我慢していると、抱きあげられた。

向かい合わせにしてくれたので、肩口を噛む。

咎められた事は無い。


「ん、んん、うぐ」

「は・・・・・・もう少し、な」


ずずっと犯す手際の良さは大したものだ。

普通のアナルセックスはこうはいかない。

手を添えないと肛圧に負けて入らなかったり折れるし、硬度に自信があっても、勢い良く突き込めば激痛を与える。

手も添えず、さりとて勢い良くでもなく。

上手い事滑り込ませるものは、相当な大物。

限界まで開いた肉孔が、きゅうきゅう締まってそれを刺激する。

絡みつく快楽は、相当なものだ。

これを知ったら、女の尻では満足できぬし、膣でもやや物足りぬ。

男の筋力と、特別身体の柔らかい体質。

上等な身体だ、セックスに関して言えば至高の器と言えよう。

甘い声だって、可愛い仕草だって好きだが。

快楽だって、欲しいのだ。

好きな人とのセックスが気持ちいい事ほど嬉しい事は無い。

今なお筋肉の衰えぬ腕で抱え上げて腰を上げ下げしてやると、濡れた音がして肉槍が出入りする。

ちゅぽっと抜き取ると、肩口の歯が強く食い込む。

鈴口に触れさせた入口は激しく開閉していて、欲しいと訴えていた。

何度か擦りつけ、もう一度中に。

締まる肉孔に折檻じみた注挿を繰り返すと、イワンの腰が艶めかしくくねる。

奥に嵌めてごりごり擦り付けると、エプロンの裏に勢いよく蜜を噴いた。

全部出したのを確認して、エプロンを外させ丸めてしまう。

スラックスを穿かせ、服を直してやると、イワンがのろのろ四つん這いになった。

イッタばかりで少しきついが、我慢したままの男根を愛したい。

中で出さない心づかいのお礼。

丁寧に舌で舐め、先を含む。

奥まで咥えて、袋を揉んだ。


「ん・・・・・んっ・・・・・」

「ふ・・・・・・」


勢いよく喉奥に発射される精液を受け止め、飲み下す。

口から出して、綺麗にしてから仕舞う。

最後に、精蜜の匂いを消すキスを。

たっぷり唇を吸って貰って、見つめあう。

また今夜、と強請られて、頷いた。

今日が金曜日だから、御飯の計画も立てないと。

幽鬼が好きなおかゆも。

ゼリーは何にしよう。

カワラザキの好きな、いりこ味噌も作りたい。

そんな事を話していたら、やおら園児達が起き始める。

園長先生を発見して色めき立つ子どもたち。

園長先生と布団がそろえば、あの遊びしかない。

せがむ園児たちを次々つまみ上げて布団にぽいぽい放り込んで、豪快に笑う姿。

やっぱり、この人が大好きだ。

昔の仕事の事もちらと聞いたけれど、こちらの方が似合っている。

散らかる枕を片づけて、布団はそのままにしてくれるイワンを見ながら、カワラザキは目を細めた。

ああ、この人が好きだ。

ここで働いているのが似合っている。

生意気にも先生にプロポーズする、将来忍者になると息巻く子猿。

つまみ上げ、布団にばふん。


「イワンが欲しければ、わしを倒してからじゃな」


10人の子猿と遊んでいるカワラザキを見つめ、イワンは熱いほっぺたを擦った。

何だかちょっと、恥ずかしい。

でも、とても。

嬉しかった。





***後書***

AVの紹介に『驚異のあ●るから口に嵌め変えセックス』と書いてあった。・・・・どの辺が驚異?(最早末期)