【 もしもシリーズ-039 】



「・・・・・もうこんな時間か・・・・・」

とある病院の人気のお医者さん、名前はイワン。

33歳なのに禿頭、でも植毛とか鬘とか女々しい事は言わず、可愛いピカピカ頭を大公開。

それに息荒げている男も数多くいますが、そんな患者さんより困るのは・・・・・。


「先生、そろそろ休憩しないと、御飯食べられないよ?」

「・・・・・セルバンテス様」


今日もピンクのナース服の看護師は、セルバンテスと言う素敵なおじさま。

実は医師免だって持っているのに、イワンの傍を陣取りたいばっかりに看護師さんをやっている。

逞しい脚と腕を惜しげなくさらし、何とも残念な光景だ。

短すぎるスカートは引きつり、きついガードルでないと宝物が見えてしまいそうだ、でもやっぱり、素敵なおじさまだ。

イワンが苦笑すると、セルバンテスが首を傾げた。


「先生、最近元気ないけれど。何かあったの?」

「ええ・・・・・・残月様が」


悲しそうに目を伏せ、イワンが呟く。


「村雨君が目覚めた時、何と言えば良いのかと悩んでおいでです」

「・・・・・そっか」


双子の兄弟は一緒に車に跳ねられた。

兄の残月は大怪我だったが、もうリハビリも済んでいる。

しかし、その9歳の時から10年たった今も、外傷が殆ど無かった村雨は目覚めない。

一気に大人になってしまった9歳の弟が可哀想だと、残月は悩んでいるのだ。

セルバンテスは、泣きそうになっているイワンに微笑んだ。


「大丈夫だよ、そんな残月の弟なんだ、その内に分かってくれるよ」

「・・・・・・はい・・・・」


涙を拭ってあげると、微笑んでくれる。

それが可愛くて、思わずキスを。


「ん・・・・・んっ」

「ふ・・・・・・・」


顔を背けるのを追って口づけ、酸欠に苦しがってようやく解放してやる。


「イワン先生・・・・・我慢できない・・・・・」

「せ、セルバンテス看護師っ、こんな場所で何を考えてっ・・・・・」


服を手早く肌蹴られ、尖りを指で摘まみあげられる。

びくんと震えると、見せつけるようにゆっくりと口に含み、手を放した。

放した手で全体を揉みしだきながら舌でちろちろ擽ると、イワンが髪を引っ張った。


「あ、っだめ、ですって・・・・・」

「んー・・・・・?」

「んんっ」


ちゅぅ、と吸い付かれて、イワンの腰が跳ねた。

ちゅっちゅっと柔らかく吸い上げられて、イワンの瞳がうるりと濡れる。


「あ、あ、そんな」

「は・・・・・・」

「ああ、あ」


胸を伝って腹を舐め下ろされ、臍を舌先で擽られる。

スラックスを奪われて脚を縮めると、セルバンテスが意地悪く笑った。

ぐいと脚を開かせ、甘くだが立ち上がっている物にゆったりと頬ずりする。


「・・・・・舐めて欲しいかい?」

「っ・・・・・・」


色気たっぷりの意地悪な目で見上げると、イワンが泣きそうな顔で首を横に振った。

セルバンテスの薄い唇が笑みに歪む。


「嘘つき」

「嘘じゃ・・・・・あっ、あっあっ」


ちゅるりと含まれ、イワンが泣き声じみた吐息をもらす。

酷く頼りなく震える呼吸で必死に唾を呑み、腰を捩る。


「うんん、んっ」

「我慢しなくて良いんだよ」

「い、やぁ、っ」


先端の孔をざらつく舌先で舐めねぶられ、イワンが肘掛けに爪を立てる。

奥まで含んで口全体で揉むと、甘く苦い蜜がとろりと口の中に零れた。

少量だが、何とも良い味だ。

芯をもったものを口に出し入れして刺激すると、益々溢れてくる。

軽く吸い上げると、泣きながら我慢する。

垂れている唾液を掬って後孔に中指を沈めると、イワンが激しく締めてきた。


「ああ、っ、だめっ」

「駄目じゃないでしょ?」

「んんっ」


ゆっくりと中を探っていると、前立腺に指が当たる。

刺激すると、口の中の甘みが増した。


「うんんんっ」

「ふ・・・・・我慢すると苛めちゃうよ・・・・?」


口から出して先端を舐め、指を抜き差しする。

中指に薬指も添えて差し入れ、掌を上にして。

蟻の戸渡りに滴る色々な汁が、手のひらと糸を引いた。


「ほら」

「あ、あっ・・・あっあっ、あんんっ」


女性の潮吹きを誘うように激しく抜き差しする。

手のひらが濡れた蟻の戸渡りにぶつかってぱちゅぱちゅと音がしていた。

激しく締まっているが、牙もない柔らかな肉の孔は、男の指に抵抗すらできない。

力強い手淫に、イワンの顎が反って唾液がたらりと落ちた。


「あ、ああ、あっ」

「いいよ」

「ふぅ、ああ・・・・・っ」


ぴゅっぴゅっと噴いた蜜を眺めながら、尚も激しい手淫を続ける。

がくがくしているイワンはか細い悲鳴を上げているが、半分飛んでいる。

強制的に与えられる快楽に溺れ死にそうになっていた。

巧みな手淫に刺激され、勢いよく潮が噴く。

男性の潮吹きは女性のように快楽だけではなく、焦らしによる部分が必要だ。

だが、射精後に執拗に快感を与えると、割と簡単に潮を噴く。

何度も執拗に後孔を弄り、たっぷりと柔らかくするセルバンテス。

半ば意識が飛びかけていたイワンは、差し入れられた冷たいものに飛び起きた。


「やめ・・・・・!」

「うわぁ、凄く綺麗だねぇ・・・・・」

「いや・・・・・!」

「ああ、駄目だよ。動くと痛いからね」


押さえつけられ、覗き込まれる。

感触で明らかなのは、女性の膣を検診するクスコを差し入れられているという事。

えぐえぐと泣きながら首を振るが、セルバンテスはペンライトを使って夢中で覗きこみ、話を聞かない。

彼のスカートはガードルをものともせずに勃起した男根に押し上げられ、捲れ上がっていた。


「凄く興奮するよ、イワン君のお尻の孔を開いて、おなかの中を覗くなんて」

「やめて・・・・・許してっ・・・・・」

「ちょっと待ってね」


針を外した注射器を4本用意し、検尿カップを一個用意する。

ゆっくりとクスコを外すと、診察台にイワンを運んで、押し倒すのも終わらぬうちに挿入してしまう。


「あっ、あああ、あっ」

「ん・・・・・・角度が悪いかな?」

「ぅあ、あ、は・・・・・!」


角度を直すと勢い良く入り込んでしまった男根に、双方の息が詰まる。

押し込まれた衝撃と苦痛、そして耐え難い快楽に、壁は激しく男根に絡んでしゃぶりつく。

硬さと持続力に自信があるセルバンテスだが、この名器には気を抜けば持って行かれる。

奥歯を噛みしめて捩じ込むと、イワンがもがく。


「ああ、や、っ助けて、おなか、怖いっ」

「何回やっても慣れないねぇ・・・・・大丈夫なんだよ?」

「怖いっ」


泣きじゃくる度に締まる中にかりを押し当てて引き抜く。

イワンが必死に唾を呑んで呻いた。


「ぅんんっ、んくっ」

「ほら、イワン君のお尻から出てきてる」

「ふぅあ、あ・・・・・」


恥ずかしい事を言われて思わず緊張すると、力んだ後孔にグイと差し込まれた。

張ったかりが前立腺をごりりと擦っていったため、イワンの腰が跳ねあがる。


「あ、あ!」

「ん、お利口さん」


腰を抱え込んで打ち付けると、汗や体液で濡れている肌が激しい音を立てた。

大きな動きと細かで強い突きを混ぜて繰り返し、執拗に刺激を繰り返す。

検尿カップをイワンの雄に宛がってイかせると、自分は堪えたまま引き抜き、傍の金属トレーに出した。

ぐったりした脚を開かせ、覗き込む。


「口あけて、涎垂らしてる」

「ふ、あ・・・・・」


何を言っているのか理解できていないイワンに微笑んで口づけ、ぽかりと口を開けた後孔をゆっくり視姦した。

自分の先走りと彼の腸液が混じったものを垂らす孔は少しずつ窄んでいく。

が、余り小さくなる前に指を三本差し入れてまた開かせ、目の保養。

暫く楽しんでから、ぺろ、と舌先を這わせると、ひくんと窄まってしまった。

そこに、自分の精液を吸いあげた注射器を差し入れる。

針が無いから結構な水流だが、そう大した量で無い。

次にもう一本にも吸い上げ、力を失っているイワンの雄の先を舐め濡らす。


「いっ・・・・・・」

「動かないで、大丈夫だから」

「は、あ、あは、あ、うんんっ」


逆流するのは他の男の精子だ。

自分の精液が残った袋に注ぎこまれ、もにゅりと掴むように揉まれる。


「よく混ぜてね」

「ふ、ぅあ、あ」


半勃ちになったところで手を放し、今度はイワンの精液を吸い上げ、後孔に差し入れて注入する。

前と後ろで遺伝子を混ぜ合わせ、男は嬉しそうに男根を扱いた。


「私と君が、混ざってるんだ」


嬉しいよ、凄く。

笑顔が屈託なくて、思考が半分停止したままにイワンは微笑んだ。

喜んでもらえて、嬉しい。

沈められる男根を受け入れ、交わる。

掻き混ぜて混ぜ合わせ、沢山注いで。

何度も何度も、飽きることなく。





「何時間待たせるつも・・・・・貴様が原因か」

「やだなぁ、大体予想付いてたでしょ?」

意識の無いイワンの身体に白衣をかけて診察台に寝かせたまま、ナース服の医者が笑っている。

医師免を持っているから心配はないが、笑顔が胡散臭いのはどうにかならないか。


「いやあ、今機嫌良いから、注射サービスするよ?」

「断る。何故ものもらいで注射をする必要がある」

「気分?」

「殴るぞ」


やたら機嫌が良い盟友に溜息をつき、昏倒している可愛いお医者さんを見やる。


「どれだけやったのだ。ぴくりとも動かんぞ」

「え?抜かずの4発と通常のが4発、1発は手で抜いた」

「・・・・・・殺す気か」

「まさかぁ」


けらけら笑い、セルバンテスは眠るイワンに微笑んだ。


「私の子供が産めないと気にするから、変な方向に走っちゃってね。でも、夢中な間は悲しい顔をしないから」

「・・・・・その内分かるだろう。貴様のしつこさも、何もかも」


自分の事も恋人の事も良く分かっている盟友に笑い、取り出した葉巻を取り上げる。


「ここ、病院」


そう言って火を点け、喫煙する医者。

呆れてもう一本取り出し、咥える。


「まあ、貴様の目の奥の異様な光が和らいだのは残念だが・・・・不快ではない」


二人黙って葉巻を吸い、眠っているお医者さんを見やる。

少し赤らんだ眦のまま、愛らしい唇が恋人の名前を呟いた。





***後書***

あかんぼ出来ない引け目と混ぜたら、変態えっちが中和出来ると勘違いしてみた。