【 日用品シリーズ-001 】



水筒を買った。

店先で、売りだしにされていた。

黒い包みに包まれていた。

直ぐに買って帰って、包みを剥ぐ。


「こんにちわ、御主人様。イワンと言います」


可愛い水筒。

白い肌で、スーツが似合っている。

鷲鼻で禿頭で、愛嬌があって。

とてもとても、気に入った。





・・・・・が、喉が乾いたら自販機どころかバーやカフェに入ってしまうタイプのセルバンテス。

水筒など使った事はない。

僅かばかりの常識を総合し、食器は洗ってから使うものと判断した。

クレンザーを手にとって、速攻流水で流した。

こんなざらざらで洗ったら赤むけになってしまう!

考えて、弱酸性のソープを取ってきた。

が、直ぐに投げ捨てた。

馬鹿すぎる自分に呆れてしまう。

こんな大きな水筒を流しで洗おうと言うのが間違いだ。

風呂にたっぷりのぬるま湯を張って、水筒を運ぶ。

大人しい気質の水筒は、セルバンテスにすっかり懐いていた。

店先で処分を待っている時に現れて、水筒を選んでいた。

でも、自分を掴んだらすぐに決めて、買ってくれた。

大好きな大好きな、御主人様。

沢山、使って欲しい。

大人しくしていると、脱衣所で服を脱がされた。

恥ずかしいけれど、我慢しなければ。

水筒は暴れたりしない。

でも、優しいご主人様は気付いて笑ってくれて。

恥ずかしくないよ、私も脱ぐから大丈夫。

優しくて、笑顔が格好良くて、ドキドキしてしまう。

早く洗ってもらって、水筒として使って欲しい。

そっと湯を掛けられ、先ずは外側を洗われる。

優しい手つきで、撫でるように、擽るように。

でも、綺麗に。

新品だから汚れているわけではないが、綺麗にしてもらえるのは嬉しい。

湯を掛けて泡を流すと、セルバンテスはタオルを持ってきた。

濡れた床に敷いて、イワンをうつ伏せにさせる。


「ちょっと、お尻上げて」

「は、はい」


そろ、と腰を上げると、もうちょっと頑張って、と。

恥ずかしくて指が震えるのを我慢して、腰を上げる。

外蓋である尻を広げられて。

泣きそうだけれど、我慢。

内蓋のピンクのすぼみに指を入れられて喉が鳴る。

ちゃんと入れたり出したり出来るように出来ているけれど、やっぱりちょっと痛い。

でも、中を洗ってもらうのが気持ち良くて。

指で広げられて、シャワーでお湯を注がれた。

おなかが苦しいけれど、嬉しそうだから。

身体を立てられて、指で孔を弄られた。

とぽとぽと出てくるお湯。

透明なのに目を細め、もう一度。

すっかり綺麗にしてもらって、綺麗に拭いてもらう。

そうしたら、早速飲み物を入れるらしい。

ベッドに座って待っていると、持ってきたのはサイダー。

ちょっと驚いた。

水筒に炭酸飲料を入れてはいけないなんて、子供だって知っているのに。


「あの、セルバンテス様。噴き出すと思います」


片付けが、と言うと、御主人様は首を傾げてサイダーを見た。


「そっかぁ・・・・良く考えたら紙パックのコーラとかも無いよねぇ」


仕舞いに行こうとするから、慌てて止める。


「あ、あの、噴き零れる位で、爆発したりはっ」

「え?でも、ぶくぶくしたら苦しいでしょ?」


ふるふる、と首を振る水筒イワン。


「蓋を開けておくか、直ぐお飲みになっていただければ」

「そうなんだ。じゃあ、直ぐに飲むよ」


グラスの代わりね、と笑う顔が嬉しそうで、嬉しくなる。

頷いて、ベッドに這ってお尻を上げた。


「どうぞ」


洗ってもらうのは照れても、水筒として使われるのは嬉しさが勝る。

可愛いピンクの入口に指を這わせて軽く引っ張り、じょうごをゆっくり差し入れる。


「んっ・・・・・・・」

「痛い?」

「大丈夫・・・・・ん、ふぅうっ」


とぽとぽと注がれるサイダーの刺激に、身体が震えてしまう。

零さないように頑張らなければと気を引き締め、おなかいっぱいに詰まったサイダーが溢れぬよう。

内蓋と言う名の、小さなピンクの窄まりを必死で締める。


「ん、ふ、ぅく・・・・・・」


おなかの中がしゅわしゅわする。

今にも漏らしてしまいそうだけれど、我慢。

セルバンテスがピンクの窄まりを撫でる。


「ふふっ、ひくひくしてる」

「ん、は・・・・・・」


ぎゅぐ、と鳴るおなか。

段々痛くなってきた。

身体はもとよりお尻もぶるぶる震えている。

ピンクになって、桃のようだ。

はっはっと息を弾ませていると、尻を押し開かれて唇をつけられる。

舌で刺激され、緩みかけたところを思い切り吸われた。


「ひんっ」

「ん・・・・・・このサイダー、相当甘い」


それとも、不思議な水筒なのかなぁ。

悪戯っぽく笑って舌を入れてくる。

行儀が悪いけれど、気持ちが良い。


「あ、は・・・・・」

「・・・・・流石にサイダー一気は無理」


そう言って、セルバンテスはイワンに笑いかけた。


「半分くらい飲んだし、庭に持って行っていい?」





「ん、ふっく・・・・・」

「それで、こっちが赤いやつ。友人が好きでね」


庭の一角、薔薇のエリアで説明してくれるセルバンテスについていきながら、イワンはおなかを押さえた。

ちょっと、我慢できなくなってきた。

炭酸が抜けてきたから、刺激は減ったけれどおなかが張っている。

でも、開けた時のぷしっ、が好きな人もいるし。

必死に我慢して、説明を聞く。

ふらつき始めると、抱きしめられた。


「ごめんごめん、気付かなかった」


炭酸抜けてきたよね。

そう言って、どこからかグラスを持ってきて。

置かれているテーブルに腹ばいになるよう言われた。

腹を石のテーブルにつけて端を掴むと、スラックスを下ろされる。

そして、グラスをあてがわれた。


「全部出して」

「あ、あの、音が・・・・・・」


恥ずかしがる水筒に、セルバンテスは気分が高揚していた。

やっぱりこの水筒は可愛い。

余り虐めても可哀想だと思い直し、うまく指を入れてふしゅ、と炭酸を抜いてやる。

そして引き抜くと、すっかり気の抜けたサイダーがとぽとぽとグラスに注がれていった。

ひくひくして赤らんだ蕾に口づけ、薔薇を一本手折る。


「知ってる?気の抜けたサイダーに切り花をさすと長持ちするんだよ」


すっかり疲れてしまって頷くしか出来ない水筒を抱え、セルバンテスはご機嫌で台所へ向かった。

水筒は綺麗にしてから仕舞うものだ。





1週間後、イワンは御主人様からお呼びがかからなくて酷く落ち込んでいた。

御主人様は縦長のタッパーにのりかえてしまったのだ。

いつも冷蔵庫を開けたり閉めたりしては、嬉しそうにタッパーを出したり仕舞ったりしている。

日に何回も、とても楽しそう。

寂しくて泣いていると、ドアが開く。

御主人様だ。

駆け寄ろうとして、立ち止った。

手に持っているのは、いつものタッパー。

涙がまた出てきて、ベッドに駆け寄って布団をかぶった。

セルバンテスは可愛い水筒がなぜ悲しんで拗ねているのか分からずに、目を瞬かせた。

そして、近づいてそっと上掛けをめくる。

うさぎの目のようになってしまった赤い目が、とても傷ついていた。

慌てて座らせ、優しく撫でる。

理由を聞いても答えずにタッパーを見るだけ。


「ねえ、何か悲しいの?言ってくれなければ分からないよ」


ふるふる、と首を振る度に落ちる涙。

セルバンテスは諦めた。


「そっか・・・・・じゃあ、今日はやめておこうか」

「え・・・・?」


イワンは勢いよく顔を上げた。

何か入れてくれようとしていたの?

しがみ付いて行かないでと訴えると、セルバンテスは驚いた後に嬉しそうにタッパーを見せた。


「一週間ね、頑張ったんだ」


友人に一種の病気がいて、ケチャップとかマヨネーズとか言いだしたんだけどね。

もっといいもの。

耳に寄せられる、唇。


「私の精液」


一週間、一日4回、二発ずつ抜いてね、溜めておいたんだ。

腐らないように冷蔵庫に入れていたし、たっぷり溜まったから。


「入れていい・・・・?」

「あ・・・・・・は、ぃ・・・・」


恥ずかしがるイワンに微笑み、耳にキス。

最後はあったかいのを直接流しこませてね、とねだると、可愛い水筒は頬を染めて頷いた。


「あ・・・・・」

「大丈夫」


布団をはぎ取られ、腰の下に揃えた膝を入れられる。

ひっくり返ったような体勢で、足も着かない。

蕾を揉まれ、腰が跳ねた。

きゅっきゅっと揉まれて柔らかくなってくると差し入れられるじょうご。

かぽっとタッパーの開く音がして、精液独特の生々しい匂いがした。


「いい?」

「はい・・・・・んっ、くふ・・・!」


どろろっと流し込まれる冷たく冷えたもの。

御主人様の体液と思うと嬉しくて仕方がない。


「もう苦しい?」

「あ、や、やめな、で・・・・・!」


セルバンテス様の精液でおなかいっぱいにして・・・・!

聞いているこっちがちょっと照れる卑猥な言葉。

可愛い水筒の可愛いおねだりに笑って頷き、全部流し込んでしまう。


「んはぁ・・・・・・」

「どう?」

「きもちぃ・・・・・」


蕩けた目で呟く姿に苦笑し、すっかり興奮して硬くなっているものを取りだす。

軽く扱き、少し強めに押し込んだ。

隙間から噴き出す粘液が何ともいやらしい。


「んぁん、く、は・・・・・!」

「あんまり奥まで入れたら壊れちゃうかな・・・・・?」

「ひぃぅっ」


軽く抜き差しされて悶絶する。

指なんか比べ物にならないくらい気持ちが良い。

勝手に蓋が男根を締め上げてしまっても、御主人様は怒るどころか嬉しそうで。

段々痛気持ち良くなってきて、変な声がもっと出てしまって。

中に注がれる、熱い精液。

気持ち良くて、幸せで。

優しく微笑んでキスしてくれるのが嬉しくて。

やっぱり御主人様が世界で一番素敵だと思った。





オイルダラーはエコに興味はありません。

ガンガン石油使って、自分の所から買って行けばいいと本気で思っています。

でも、水筒は持ち歩いています。

部屋も、庭も、お風呂も、ベッドも。

肌身離さず、可愛い水筒を。





***後書***

次のうち病院に行った方が良いのは誰でしょう。

A.ステンレスの水筒にケチャップとマヨを入れオーロラソースにはぁはぁする白昼。

B.超可愛い水筒に、冷蔵していた1週間分の精液をどろぉして本気えっちの幻惑。

C.そんな御主人様が世界一素敵と信じている水筒イワンさん。